蒼井優×山里亮太の電撃婚もそうだった!? 映画「愛がなんだ」に描かれる「尽くし型恋愛」の実態

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「浅くて深い話。自然に涙が溢れて、めっちゃ闇に落ちた感じがする。すごい考えこんでしまう。暴君と家臣の話が印象的で個人的に1番響いた。愛ってなんなんやろ。#愛がなんだ 」

「#愛がなんだ 本当になんだってんだー 傷口に塩を塗りこまれる様な123分。尽くし過ぎる女テルコからの好意を利用しつつ、ガサツの極み年上女・すみれに惚れるマモルを一番興味深く観察、理屈抜きで惹かれる人に出会っちゃったなら、しゃあない…色々ガンバレw 満たされぬ想いを抱えている(いた)方へ」

「『#愛がなんだ』 相手が鈍感だと言えばそれまでだが、好きを伝えることと好きが伝わることは必ずしもイコールじゃない。だが一途なその想いが何度裏切られようと、もはや恋や愛という単純な言葉では表せないほど複雑に肥大化したその感情は、消し忘れた煙草の煙の様に胸の奥で渦を巻いて燻り続ける。 」

「公開してすぐレイトショーに駆け込んだ映画。純粋にあんなに誰かを好きになれるって凄いことだと思った。好きは止められないよね。#愛がなんだ」

(以上、Twitterより)

都合のいい女?

 Twitterで「#愛がなんだ」というハッシュタグがついた投稿は6月6日時点で累計18万4576ツイートに及ぶ。これらは全て映画「愛がなんだ」にまつわる呟きだというから驚きである。

 この今泉力哉監督の映画「愛がなんだ」は、公開8週目を迎える現在もなおミニシアター系としては異例の大ヒットを続けている。最初74館からスタートした公開もピーク時には92館まで拡大、テアトル新宿での公開4週目までの動員数の伸びがあの「この世界の片隅に」を上回るという快進撃だ。

 このヒットの理由を配給会社エレファントハウスの増田英明さんに伺うと、

「公開3週目まで観客はほぼ女性のお客さまだけでした。同じようにミニシアター系でSNSから大ヒットした最近の作品に『カメラを止めるな!』がありますが、こちらは最初、評論家やシネアストなどの評判がよく人気に火がつきました。けれど『愛がなんだ』は最初からずっと一般の、しかも若い女性のお客さんの間で口コミが広がってヒットに繋がったんです」

 と教えてくれた。

「愛がなんだ」は見終わった後にどうにも感想を誰かと語り合いたくなるらしく、その滾る気持ちのまま皆が感想をSNSにアップするのだという。そこまで駆り立てるものは何なのか。

 映画は仕事が終わって自宅にいるテルコに電話がかかってくるところから始まる。

 電話の相手は「具合が悪いから、まだ会社にいるなら帰りがけに何か食べ物を届けてくれないか」と言う。するとテルコは「まだ会社にいるからいいよ」と嘘をついて電話相手の家にウキウキと向かうのである。テルコはどうやらこの電話相手、マモちゃんのことが好きなようで、家にかけつけた後は嬉しさを隠しきれず、鼻歌交じりにご飯を作り、さらには掃除まではじめてしまう。すると苛立った様子のマモちゃんに半ば強引に追い返されてしまうのだが、テルコは全くめげない。

 付き合ってもいないマモちゃんからの連絡を待ち、誘いは絶対に断らず、だからといって無理に合わせていることがバレないよう、誘いのタイミングがバッチリだったフリをし続ける。体の関係だってもちろんある。そうして二人の距離は近付くかにみえたが、尽くしすぎるテルコをマモちゃんは受け入れることができない。

 そんなマモちゃんが好きになるのが年上で自由奔放なすみれだ。テルコの自分に対する重すぎる気持ちには嫌悪感と苛立ちを感じているようなマモちゃんだが、いざ自分の恋となればすみれの顔色をうかがわずにはいられない。すみれはそんなマモちゃんの卑屈さを過去の男に重ね、ああいうタイプは付き合ったら変わってしまって自己中心的になるのだからと遠ざけるのである。

 もう一人、映画の中で強烈な片思いをしているのがナカハラだ。テルコの親友、葉子のことが大好きで、呼ばれればいつでも駆けつけ、言いつけられるまま用事をこなし、望まれればベッドも共にし、テルコや葉子の母親とも仲良くする。葉子のことが大好きなため「彼女が寂しい時にそばにいたい」という信念で行動するのだが、一方的な関係性には割り切れない思いがあるようで、テルコに「幸せになりたいっすね」とこぼす。

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