原発ゼロ「小泉純一郎」を操る「正義の弁護士」の下半身裁判

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墨塗り教科書のよう

 この和解条項が交わされる前、山田氏の弁護士が河合氏側の弁護士に面談して作成したメモが地裁に提出されていた。一連の訴訟に、河合弁護士の事務所の同僚が関わっていないというのも、なにやら意味深だが、それはともかく、メモには河合氏の主張として、

〈まゆ子が結婚するずっと前からの知り合い〉〈携帯の留守電のうち「秘密」というのは、まゆ子の親には秘密という意味〉〈性的関係もなかった。食事をしていただけ〉

 などと、言いわけと否定が並びながら、〈(金額について)100万円であれば即金で用意できる〉とも書かれている。また、山田氏側の弁護士の感触として、〈300万円までであれば、説得の可能性あり〉とも記されていた。

 それなのに、なぜ山田氏は河合弁護士から慰謝料を受けとらず、訴訟に踏み切ったのか。山田氏が言葉少なに語ったところでは、

「河合弁護士は、和解条項に“一切の法的措置をとらない”という文言が入ったのを確認し、もう訴えられないと思って、慰謝料の交渉を取り下げたのでしょう。私に言わせれば、その条文は元妻に対して約束したもの。元妻が和解条項にある、私と息子との面会交流の再開の約束を破っている以上、無効のはずです」

 河合弁護士が、「法的措置をとらない」という文言を盾に、慰謝料の支払い拒否に転じたため、訴えたらしい。ついでに言えば山田氏は、河合弁護士が留守電に残した〈秘密でそのまま今まで通り付き合いたいのだけど〉云々という音声を、本誌(「週刊新潮」)記者に聞かせてくれた。

 もっとも、河合弁護士側は「不貞行為」を否定している。同時に、先の和解条項に〈一切の法的措置をとらない〉という文言があることを理由に、〈本件請求は上記契約に反するものとして却下されるべきである〉と主張。このため裁判は入口で止まったままだ。

 加えて、河合氏側は、裁判資料の閲覧制限を頻繁に申し立てていた。申立書には、〈第三者に公開されることによって申立人の名誉権及びプライバシー権が著しく害される〉などと、悪事を暴く達人らしからぬ、せせこましい文言が並ぶ。

 結果、訴状などは終戦直後の墨塗り教科書のようで、だれが被告のなんの裁判かさえわからない状態だとか。それを目で確かめるべく東京地裁に確認したが、

「ものすごい数の閲覧制限申立てが出ているので、閲覧できるまで最低でも3カ月はかかります」

 自分がこんな裁判の被告だなんて世間に知られてなるものか、という意地が感じられるが、実は、本誌はまだ黒く塗られる以前から閲覧していたのである。

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