「なつぞら」おんじ役で再ブレイク! 草刈正雄が語る「極貧生活」「芸能界デビュー」

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三つの試練がもたらした「草刈正雄」復活の日(1/2)

 容姿で持て囃された役者ほど、年を重ねるにつれそのギャップに苦しむ。60代半ばで再び脚光を浴びたこの名優もまた然り。かつて自ら主演した映画の如く、「復活の日」を迎えた彼が赤裸々に語った「三つの試練」。そこから見える「シニア世代」が生き抜くヒントとは。

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 柴田泰樹(たいじゅ)という男は、広瀬すずさん演じるヒロインを、大自然の中で愛情深く育てる頑固じじい。「ワシを調略するつもりか」なんていうセリフもあって、少し大河ドラマ「真田丸」の真田昌幸と重なる部分もあるんです。きっと脚本家の大森寿美男さんが、敢(あ)えて遊び心を加えてくださっているんだなと思っています。

〈そう語る草刈正雄(66)は、NHKの連続テレビ小説「なつぞら」に出演している。戦争で両親を亡くし、北海道の開拓民一家に預けられたヒロイン・なつの祖父代わりとして、彼女の成長を見つめる役柄だ。記念すべき朝ドラ100作目となる今作は、最高視聴率23・6%と好評を博しているが、そこで彼は名台詞を連発、視聴者からは「草刈おんじ」と呼ばれ親しまれてもいる。

 そんな草刈といえば、3年前の大河ドラマで乱世を生きる戦国武将・真田家の頭領を演じ、息子役の堺雅人と大泉洋を束ねる父として、厳しくもコミカルな姿をご記憶の方も多いだろう。〉

 来年で50年この世界にいることになりますが、急に良い役を貰い出したと思っています。そこに至るまでには、嬉しいこと、辛いこと、様々なことがあって、その経験が役を掴(つか)む上で反映されている。長くやらせて貰っているということが、本当に私の財産ですし、この歳になっても役者冥利に尽きるような役を頂けて嬉しい。芸能の世界ですから浮き沈みの波が激しく、上手くいかなかった時期も振り返れば全て肥やしになっていた。今はそう思えるようになりました。

〈そう振り返った彼は、あと3年もすれば古希を迎える。普通のシニア世代なら年金暮らしが始まり、表舞台から降りてもおかしくない60代半ばで、再びスポットライトを浴びたのだ。一昨年5月には、意外にも初の写真集という『草刈正雄FIRST PHOTO BOOK』を送り出して、乃木坂46の白石麻衣を抑え、アマゾンのタレント本ギフトランキング1位を記録。改めて復活を印象づけたが、今なお現役でいられる秘訣は何だろう。そこに至るまでの人生には三つの試練があったというのだが、それを知るのに絶対に外せない、自身の生い立ちについて草刈本人に語って貰った。〉

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