リクシルお家騒動で潮田会長に「揺さぶり」をかけていた村上世彰

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 令和の幕が開いても収束の兆しを見せないガリバー企業のお家騒動。その裏で名前が取り沙汰されたのは平成を代表する経済事件の主役だった。新たな時代に息を吹き返した異端児・村上世彰氏(59)がリクシルにもたらすのは大団円か、はたまた更なる混沌か――。

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 昨年12月上旬、「その男」はLIXILグループ(以下、リクシル)のトップ・潮田洋一郎会長兼CEO(65)にこう言い放ったという。

〈ファンドは臨時株主総会を開こうとするでしょう。彼らにとって重要なのはプロセスと業績。瀬戸さんがCEOを辞めた経緯が適切でなかったとすれば、潮田さんが損害賠償で破産に追い込まれる確率は高い〉

「瀬戸さん」とは、同社の瀬戸欣哉取締役(58)を指す。リクシルは、トーヨーサッシから社名変更したトステムと、INAXが経営統合して誕生した持ち株会社で、「グループ全体の売上高が1兆6千億円を超える、日本の住宅設備業界におけるガリバー企業」(経済部記者)だ。ご承知の通り、前社長兼CEOである瀬戸氏が退任し、トステム創業家の潮田氏が復権した経緯を巡って、同社はいま泥沼の内紛劇の真っ只中にある。

 そんな折も折、渦中の潮田氏に接触し、あまつさえ「破産」という言葉まで投げかけた「男」とは――。

 かつて「物言う株主」として、数多の名門上場企業を震え上がらせた村上世彰氏に他ならない。

 彼が率いた「村上ファンド」は、最盛期には世界中の機関投資家から5千億円もの資金を集めた。そんな村上氏が2006年にニッポン放送株のインサイダー取引疑惑で逮捕されたことはご記憶の方も多かろう。当時、「この世界から身を引きたい」と語った証券界の「プロ中のプロ」は、しかし、ここに来て再び猛威を振るい始めている。

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