東京23区内タワマン暮らしなのに「コジ活」にハマる専業主婦の心の闇

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コジ活のために電動自転車買い替えという本末転倒ぶり

 無料でものをもらって生活する──それだけ聞くと、家計に困った人の節約テクニックと思われるかもしれない。共働きでも収入が足りず、ヒーヒー言いながら子育てをしている夫婦も多いこのご時世。専業主婦たちも、夫の収入がそれほど多くなくて家計の足しにコジ活に手を出しているのでは……と思われる皆さんもいるだろう。

 確かに、生活費節約のために「お得」をする人も少なくはない。しかし、ヘビーに「コジ活」をしている人の中には、むしろ何不自由ない暮らしをしている世帯の専業主婦も多い。都内一等地のタワマンに子ども2人、そこそこ稼いでくる夫──そんな生活をしながらも、コジ活に1日のほとんどの時間を割く主婦たちがいるのだ。今回はそんなコジ活主婦の生活を覗いてみたい。

 主な活動時間は、子どもを幼稚園や小学校に行かせている間。11時頃からスタートして、15時ごろまで、毎日のように渋谷や表参道、銀座などに繰り出して、コジ活に精を出す。

 駅前などで試食や試供品を配布するサンプリングイベントや、イベントスペースやデパートでのポップアップショップをハシゴして回るのだという。1日に1件2件では済まず、有楽町・銀座で2~3件、表参道・渋谷で2~3件など、いかに複数のイベントを効率的にクリアするかがポイントだ。

 外出中は、イベントなどの無料配布や、SNSのインスタントウィンでゲットしたクーポンで飲食物をゲットし、小腹を満たす。交通費も、地下鉄の1日乗車券を使って浮かせるのは当たり前、猛者になると桐谷さんよろしく23区から都下まで自転車で回る主婦も。

 自転車派のコジ活主婦の一人は、活動を始めてからあまりにハードな乗り回しっぷりに長年愛用した子乗せ電動自転車が耐えきれず、故障を繰り返すようになったという。

「長距離だと、子乗せ自転車の小さな車輪ではいくら電動とはいえ結構つらくなってくるんですよ。修理代もかさむし、思い切って普通の電動自転車を買ってしまいました」

 たかが「コジ活」のために10万近い投資もいとわない姿に、本気がにじむ。

 そして、夕方には各所で大量のお土産を刈り取り、試供品や現品サンプルでパンパンになった袋を抱えて帰宅。タイムリミットは基本的に子どもたちもしくは夫が帰宅するまでなのだという。

「一応主婦なので(笑)、朝は夕飯の仕込みや洗濯をして出かけますよ。夜はイベント巡りで疲れ切っちゃって夕飯の支度なんてできないから、出かける前の準備は大切ですよ」

 なんだかんだ専業主婦らしい面もあるようだ。とはいえ、高級ブランドのショップオープンのレセプションなど、“おいしい”イベントが夜にあるときは、いったん帰宅してから再び子連れで外出することもあるという。

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