「小出監督」に一番愛された女性ランナーは誰か
ヒゲの監督の傍らには共に泣き、笑った教え子たちの姿があった。4月24日に死去した女子マラソン界の名伯楽・小出義雄監督(享年80)の葬儀には、往年の女子ランナーたちが駆け付けた。彼女たちは遺影に向かってこう問いかけていたかもしれない。監督、誰を一番愛していたの――。
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答えのひとつは、告別式会場の一角にひっそりと飾られていた。1箱の古ぼけたショートホープ。小出監督が初めて育てた五輪メダリスト・有森裕子(52)との思い出の品である。
「バルセロナ五輪で銀メダルを獲った時のものですね。監督はヘビースモーカーでしたが、本番の数カ月前から願掛けで禁煙を始めました。“選手にだけ練習を強いて、自分が何もしないわけにはいかない”という監督なりの思いやりでした」
とは有森本人の弁。
「私もそれに応えようと、本番ではユニフォームにショートホープを縫い付けて走った。そして、ゴール後、監督に“思う存分吸ってください”と手渡したんです。汗でぐしゃぐしゃになって、とても吸えたものじゃなかったんですけどね」
小出監督は有森を「センセー」と呼んでいたという。
「監督は意見されることが嫌いでしたが、私は思ったことを口にするタイプ。監督は敢えて“センセー”とへりくだることでやり過ごしていたんだと思います。監督と侃々諤々やったのは私くらいじゃないかな」
ここまで聞くと師弟を超えた特別な関係を疑ってしまうが、有森は苦笑しつつ、
「それはないですね。私にとって監督は監督です。思い出を振り返るなかで気づいたんですが、監督が一番期待していたのは鈴木博美だったんじゃないかな」
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