ブラック寸前? 少年野球の現場で悩む父親ライターの正直な報告

池谷玄 少年野球の現場で悩む父親ライターの正直な報告 ライフ 2019年5月4日掲載

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 祝プロ野球開幕!(といっても1カ月経った) 毎日野球中継が見られるし、新聞のスポーツ欄もいよいよ充実。昭和末期生まれ、野球好きの筆者はとても幸せである。

 公立高校における野球部員(硬式)としての3年間を終えるまで野球漬けだったから、野球そのものが好きである。ひいきのチームなんてない。流麗なプロのプレーを見るだけで楽しい。年甲斐もなくマネしたい。

「おお、柳田選手(福岡ソフトバンクホークス)、振り切ったら体重がぜんぶ前に移動しているぞ。メジャーリーガー顔負けだな。日本であれを最初にやったのは、イチローじゃないかな、振り子打法で」

 とまあ、こんなことを一人考えてはエアバッティング(バットなしの素振り)をしている。体重移動云々は、結構な野球好きもしくは経験者でないと、理解してもらえないはずである。

 ところが幸いにも最近、身近にこの手の話をできる相手ができた。

 小学生の息子である。

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少年野球に人が集まらない理由

 この男子、親がすすめもしないのに、先日、近所の少年野球チーム(軟式)に入りたいと言うので入らせた。練習に出て息子が元気に楽しんでいる姿を見ては筆者自身も大いに楽しんでいる。投げる、捕る、打つが少しずつうまくなって本人も嬉しそうである。「やっぱりいいな、野球」と感じる。

 しかし楽しさの一方で、不安に思うことがある。同学年のチームメートが少ないのである。10人にも満たない。サッカーなんか行列つくってシュート練習しているのに。昔は野球少年、もっといたんだがなあと思う。世の野球人気の割に、子どもたちの間じゃ、そんなに好かれていないらしい。

 野球を底辺から支える少年野球であるはずなのに、その人気は落ち目なのかもしれない。日本スポーツ協会が2016年に発表した資料には、「(少年野球の・引用者注)団員数は2009年をピークとして増加後、減少の傾向」とある。

 まあ、ショーシカだしな、仕方ないか。

 サッカー人気もある。それにテニス、バドミントン、卓球、ゴルフ等々、子どものやるスポーツも多様化する昨今である。少年野球人口が減るのも仕方ないことなのだろう。むしろみんながボールとバットで遊んでいた昭和が特別だったのか。

 しかし少年野球に人が集まらない理由は、ほかにもあるんじゃないか。息子とともに三十数年ぶりに少年野球の現場に入って以降、感じるようになった。

 少年野球ではよくある話らしいのだが、実は筆者、子どもの入団と同時に“パパコーチ”の一人になった。パパコーチというのはたぶん通称で、チームごとにいろいろな呼び方があると思う。要するにわが子の面倒を見つつ、チームの運営も手伝う親である。どのチームでもたいてい別に専任という形で監督やコーチがいる。

 どんな形であれ、子どもたちと野球をするのは楽しい。だがずっと練習に参加していると、「ちょっとこれはなあ」と感じることが出てきた。世の物言いになぞらえて書き出してみる。

(1)長時間練習=ブラック企業
(2)叱声・罵声をともなう指導=パワハラ
(3)(女性による)お茶配り=性差別の助長

 少年野球に関わる人なら、(1)~(3)のどれかには心当たりがあると思う。筆者も人づてに聞いたり、試合などで他チームの様子を見ると似たりよったりで、平均的なことなのだと感じている。だから息子のいるチームが特殊だとは思わないし、何か悪意があるとも思わない。あるいはサッカーやバスケットボール、その他スポーツでも同じようなことかもしれない(それはそれで、大丈夫か、日本の学童スポーツ、という感じだが)。

 で、以下、筆者が感じたところをさらに具体的に説明しよう。

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