「富士そば」の蕎麦湯はNG!? 健康そうな「大戸屋」も… 食べてはいけない外食チェーン

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「たった1食で基準値超えのメニュー」表

 実は、スーパーなどで売っている加工食品などとは違って、外食で出されるメニューについては、塩分などその栄養成分を記載する法的な義務はない。とはいえ、健康志向の高まりを受けてか、ほとんどの外食チェーンでは、各メニューの塩分量をHPやメニュー表などに掲載している。客はそれを見て、塩分量をチェックし、身を守ることが出来るのだ。

 掲載の表は、定食、とんかつ、うどんの和風3分野で代表的な外食チェーンを選び、メニューの塩分量をまとめたもの。先のWHOの目標値を基準に、食塩相当量が5グラムを超えるものをピックアップしてみた。つまり、1日の基準値をたった1食で超えてしまう、習慣的に「食べてはいけない」メニューと言える。もっとも、あまりに多過ぎるので各店10メニューに絞っている。表の店名の下にあるのが、それぞれの店の5グラム超えのメニュー数である。

 まず驚くのは、「大戸屋」の数値が意外に高いこと。「大戸屋」は、外食チェーンには珍しく「店内料理」に拘り、野菜も店で仕込む、出汁も店で引くことを売りにしてきた。ヘルシーなイメージで女性を中心に人気を集めていたが、こと塩分に関しては、かなりの「危険メニュー」が並ぶ。表を見ればわかるように、「野菜のせいろ蒸しとたっぷり野菜の麦みそ汁定食」など、いかにも健康そうなメニューが実は塩分過多というところが落とし穴なのだ。

 他方、「働く人に、健康を!」と「はなまる健康宣言」を謳う「はなまるうどん」もこれまた、塩分値が高い。これはもちろんうどんの汁が多くの塩分を含むため。当然、自分は汁を飲まないから大丈夫、と胸を撫で下ろす向きもあるだろうが、管理栄養士で、京都医療センター臨床研究センターの河口八重子研究員が指摘するように、

「仮にスープを飲まなかったとしても、全体の塩分量の半分程度は身体に入っていると考えた方がいい。スープは麺に絡みつきますし、麺そのものにも塩分が入っている」

 というから、まったく油断はならないのである。

 詳細は次回に譲るが、同じ麺類ではうどん同様、「富士そば」「ゆで太郎」などに代表されるそばチェーンも塩分値は高め。そのため、

「血圧が気になる人は蕎麦湯を飲んではいけません」

 とは、横浜創英短大の則岡孝子・名誉教授(栄養学)。

「あれは出汁で薄めた醤油を飲んでいるのと同じこと。もちろん蕎麦湯自体は健康に良いですが、薄めても塩分の高いつけ汁が身体に入ってしまいます」

 無料に惹かれてつい……が後々後悔を生むことになるのかもしれない。

(2)へつづく

週刊新潮 2019年3月21日号初出/2019年5月3日掲載

特集「塩分『非開示』メニューを独自検査! 食べてはいけない『外食チェーン』第2弾」より

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