銀座のナンパスポット「コリドー街」が消滅危機のワケ

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 男女の出会いの場は少なからずある。例えば、北海道札幌市内の地下歩行空間や、大阪ミナミの戎橋などが有名だ。目下、東京・銀座で一番熱いと評されているコリドー街。そのナンパスポットが、消滅の危機に直面しているという。

 コリドー街は、JR山手線の有楽町駅と新橋駅を結ぶ高架下を中心としたエリアを指す。寿司やイタリアンなどの料理店やバーが立ち並び、銀座にしてはリーズナブルな店が多いことで知られる。それで若いサラリーマンやOLが集まり、自然発生的にナンパスポットになったとか。

「検討会の結論次第では、高架下にある飲食店は立ち退きを余儀なくされるかもしれません」

 こう語るのは、全国紙の国交省担当記者だ。

「国交省は昨年12月25日、日本橋の高速道路地下化などを話し合う検討会を開催しました。そこで“KK線”の構造問題が取り上げられたのです」

 KK線は汐留ジャンクションから京橋ジャンクションなど銀座の外周を囲むように走り、総距離はおよそ2キロ。東京高速道路株式会社が管理している。国交省道路局高速道路課によれば、

「首都高全線で大型車の走行を可能にする計画ですが、KK線は耐荷重が不足している。検討会では補強工事か、地下ルート新設が提案されました」

 そのKK線高架下にあるのが、まさにナンパスポットとして軒を連ねる飲食店なのだ。10の飲食店が参加するコリドー通り会の役員は、不安をこう口にする。

「補強工事を行うことになれば、素人が考えても高架下で営業を続けるのは難しいでしょう」

 KK線を管理運営する東京高速道路は「決定事項ではないのでテナントには何も話をしていません」とにべもない。が、国交省に再び聞くと、

「今後、テナントの問題は議論します。工事の着工は東京五輪終了後がメドで、完成は10年、20年先の話ですから」(高速道路課)

 まだ、時間があるとはいえ、飲食店にとっては死活問題であることは間違いない。

週刊新潮 2019年4月18日号掲載

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