Abema「那須川に勝ったら1000万円」 名乗りを上げたフリープロボクサーが怒る理由

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 AbemaTVの“勝ったら1000万円”シリーズが話題を呼んでいる。これまで「亀田興毅に勝ったら1000万円」(17年5月7日配信)、「朝青龍を押し出したら1000万円」(17年12月31日配信)、そして「亀田大毅に勝ったらお年玉1000万円」(18年1月1日配信)などが企画されてきた。幸いにして、これまで挑戦者が勝ったことはなく、運営元のサイバーエージェントも1000万円を払ったことはない。

 だが、3月10日に発表された「那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」では、思わぬ伏兵が現れた――。

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 ご存知ない方のために言っておくと、那須川天心(20)はキックボクサーでRISE世界フェザー級王者であり、キックボクシング界の“神童”と呼ばれる。スポーツ紙記者によれば、

「プロ転向後は24戦24勝、そのうち19試合はKOです。小学校6年の時にキックボクシングを始めていますが、それまでは空手で、小5の時に極真空手ジュニア世界大会で優勝しています。キックボクサーとしては、プロ6戦目、RISE史上最年少の16歳で国内王座を獲得しています。17歳で世界チャンピオンとなる一方、総合格闘技家としても活動しており、そちらでも負けなし。ただし、昨年大晦日に行われたRIZINのエキシビションマッチで、ボクシング50戦無敗5階級制覇のフロイド・メイウェザー・ジュニア(42)に1ラウンドR TKO負けを喰らいました」

 そんな男にまたも、ボクシングで勝てば1000万円、というわけである。

「これまでの“勝ったら1000万円”シリーズについて言うと、亀田興毅(32)の時にはボクシングのルールで、1人3分3ラウンド、両者ヘッドギアをつけるというものでした。ただし、挑戦者の選定で現役格闘家や元プロボクサーは対象外とされ、ホストや元暴走族といった相手と闘ったわけです。すでに現役を引退していた興毅でしたが、さすがに負けるはずがない。でもこの番組が評判を呼んで、当時のAbemaTVの視聴数歴代最高記録を更新。これに味を占めて、朝青龍(38)や亀田大毅(30)で似たような企画が組まれました。ところが今回の那須川に関しては、これまでと事情が違う。挑戦者応募資格は“18歳以上で心身ともに健康である男性”。プロボクサーにも応募資格があるように見えるので、かなり話題になったのです」(同)

 これまで亀田兄弟のボクシングに、プロボクサーが出場したことはなかったのだ。

「その応募条件が変わったので注目されたのですが、それでもプロボクサーは出たくても出られないんです。日本のプロボクサーはJBC(日本プロボクシングコミッション)に属していて、JBCは異種格闘技を認めていません。相手はキックボクサーの那須川ですからね。これに違反すれば、ライセンスの剥奪もあり得るのです。ですからAbemaTVも、どうせプロは応募しないと高をくくっていたという見方もあります」(同)

 そういう事情を知った上で、今回、応募してきたのが、フリーランスのプロボクサー・中村優也(28)や恵良敏彦(44)だ。フリーランスと聞くと、なんだかテレビドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレ朝)の米倉涼子みたいだが、そもそもどういう選手なのか?

「JBCに所属せず、海外のライセンスを取得して海外で闘っているボクサーです。中村は国内ではほとんど知られていませんが、フィリピンの選手ライセンスでWBCアジアバンタム級王者にまでなっています。彼が、3月11日に自信のSNSで1000万円企画に応募したこと発表したのです」(同)

 それがこの文面だ。

〈日本のプロボクシング(JBC)関連の人間は出られへん。それわかっててやろ? そんな条件の面子から選んでボクシングルールで弱い者いじめしてもしゃあないやろ? だから俺がやったる! 黙って俺を採用しろ! 階級もフェザー級で合わせたる! 観てる人らも企画やなくてほんまもんの試合が見たいやろ?〉 

 何とも過激な挑戦状だ。なぜ、“俺がやったる!”となったのか、本人に聞いてみた。

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