Abema「那須川に勝ったら1000万円」 名乗りを上げたフリープロボクサーが怒る理由

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最終選考間直前にタイで試合

――そんな中村の動きを知って応募したのは、同じくフリーのプロボクサー恵良敏彦だ。44歳ながら、昨年、タイ国第35代フライ級チャンピオンとなった。

恵良:今回、Abemaは、日本にJBCに属さないフリーのプロボクサーがいるなんて知らなかったんでしょうね。問題なのは、亀田興毅で味をしめたAbemaが、ボクシングのことをあまり知らずに、ボクサーが対戦相手といえば“那須川天心”と安易に企画を出したことですよ。逃げるのを嫌う那須川選手に対して、フリープロのボクサーが次々と名乗りを上げている。Abemaは相当困っているんじゃないですか。ボクサーって、人生かけてやっている人もいるんですよ。彼らが思うような遊びではないんです。ボクならファイトマネーがゼロでも、那須川選手と拳を合わせてみたいですよ。彼のことは尊敬していますからね。ボクシング1本に絞ったら強くなるでしょう。でも、彼はパンチの威力はあっても、フェイントを使わないのでガードで避けられるし、当たっても芯は外せます。今のレベルなら負ける気はしませんね。こちらからは、フェイントをしっかり混ぜ、最終的にはボディで倒そうかな。ボクシングは殴り合いではなく、もらわない、打たせないスポーツなんですから。まあ、ボクも最終的にフリープロが選ばれるとは思っていませんが、ここまで盛り上がったのに選ばなかったら、ちょっと興醒めでしょうね。

 最終選考は4月13~14日にかけて行われるスパーリングという。だが、中村、恵良の両名は、4月11日にはタイで試合が組まれており、12日に帰国する予定だ。過密スケジュールが気になるが。

中村:大丈夫ですよ。海外では、直前に試合が組まれることなんてザラですから。いつでもボクシングができるように準備はしています。那須川選手だって、キックボクシングのトーナメントの最中なのですから、五分五分です。もしAbema が選んでくれたなら、もう1回、泣かしてやりますよ。

 恵良選手はタイトルマッチがかかっている。

恵良:まあそれはそれ、これはこれですから。中村選手はスピード、パンチ力ともに、那須川選手よりも上だと思います。だから、ボクを選んでくれないかな。ボクが相手なら結構いい試合になるかもしれませんよ。ボクらベルトを獲った選手は、チャンピオンに上るために、いろいろな選手を踏み台にしてきた。彼らの思いも、那須川選手にぶつけますよ、選ばれたらの話ですけどね。

 視聴者は本物の真剣勝負が見たいのだ。

週刊新潮WEB取材班

2019年4月12日掲載

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