Abema「那須川に勝ったら1000万円」 名乗りを上げたフリープロボクサーが怒る理由

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なんでこんなことするのかな

中村:ボクは“18歳以上で健康な男子”の1人ですからね、応募の資格はある。一見、応募条件は広がったようですけど、日本のJBCの選手やアマチュアのトップ選手は出られませんから。それを承知で、元ボクサーとか素人呼んで、亀田はボコボコにしたり……、オモロなかった。今回は亀田の時とは違うよと言いたいのかもしれませんが見せかけだけ。また同じような人しか出ないのであれば、ボクシングが舐められているようで腹が立つ。それなら自分が……と思って応募したんです。

――那須川選手に関してはどう思っているのか。

中村:彼の実力は知っていますし、キックボクシングで“神童”と言われるのも評価の表れでしょう。また、那須川選手ならメイウェザーに対して何かやってくれると思った人も多いでしょう。でも、キックボクシングとボクシングは違うんですよ。だからボクは、最初から彼が勝てるなんてまったく思わなかった。そもそも、なぜ彼はメイウェザーと対戦したのでしょうか。ボクはメイウェザーのこと大好きなんで、試合は全て見ていますが、対戦したいとは思いませんよ、殺されるかもしれないので。彼は最悪の動きだったメイウェザーに、1ラウンドでTKOされて号泣していましたが、そもそも本当に勝つつもりがあったのでしょうか。だとすれば、知らなすぎます。ボクシングを舐めるなと思います。そして今回、彼は、メイウェザーに負けたから“ボクシングの借りはボクシングで返す”と煽っています。それで素人集めてボコボコにして、それで借りを返したなんて思われたら堪りませんからね。もう、そんなこと言わんでもええやろって思います。

――那須川選手への怒りが応募させた?

中村:いやいや、そうじゃないんですよ。メイウェザー戦も、今回の企画も、お金に走りすぎているように思います。那須川選手も、Abemaの企画だから仕事としてやっているのでしょうけど、周りの大人に振り回されているように思うんです。“神童”と呼ばれて実力もあるのに、なんでこんなことするのかなと。キックボクサーはJBCとは関係ないので、フリーのようなものですが、それにしても度が過ぎています。今、彼はキックボクシング世界トーナメントの真っ最中なんですから。

――むしろ那須川を気遣っているようだ。だが、実際に挑戦することになったらどう戦う?

中村:キックボクシングは遠い距離には、パンチでなく蹴りで対処しようとします。一方、ボクシングは踏み込んでパンチを当てにいくのです。この感覚は、何ヶ月か練習すれば埋まるというものではありません。キックボクサーである那須川選手にその攻撃はできないでしょう。一方で、彼は攻めながらもカウンターのできる万能タイプですが、攻めの距離はボクよりも近いので、カウンターを狙ってくるでしょう。カウンターなら、ボクもある程度、パンチがわかってしまう。三手先まで読んで準備すれば耐えられます。倒れることはないでしょう。メイウェザー戦ではガードもできていませんでしたし。

――自信はあるようだ。ところでフリーのボクサーって生活はできるのだろうか。

中村:ボクはタイトルはアジア王者までしか取ったことがありませんが、ボクシングだけで飯が食えていますよ。ですから今回の応募も、金が目当てではありません。むしろ応募したいのは、日本のプロボクサーでしょうね。JBCはプロモートやファイトマネー諸々全て行っているので、基本的に33%も持って行ってしまいます。たとえ世界チャンピオンになったとしても、人気がなければ1000万円なんて賞金はないし、数百万円ですよ。そのくせ副業も禁止されている。1000万円欲しいと思っているプロボクサーは多いと思いますよ。今回、Abemaはボクを話題作りのために1次選考を通過させましたが、最終的には選ばれないと思っています。もちろんAbemaが決めることですから、そうなっても那須川選手が逃げたなんて思いませんよ。ボクとしては今回の応募で多少話題になりましたから、総合格闘技のRIZINでボクシングマッチを組んでもらいたいんです。そこで堂々と勝負したい。

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