「桐生祥秀」救済策? 五輪選考がルール改正、サニブラウンが“圏外”に

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考えすぎてしまうと

 一昨年9月に9秒98の日本記録を打ち立てた桐生は、大舞台での弱さが指摘されてきた。現に、一昨年の日本選手権は4位に終わって世界陸上ロンドン大会に進めず、また昨年もアジア大会の2枠に入れなかった。

「今回の要項に則れば、桐生は現在、代表圏内。日本選手権で上位に入れば高いポイントが得られるとはいえ、直ちに後進にランキングで追い抜かれるとは考えにくい。関係者からは『これではまるで“桐生ルール”じゃないか』といった声も上がっているのです」(同)

 すでに来年の東京五輪の代表選考でも、ランキングが用いられることが決まっている。日本陸連に聞くと、

「様々な意見があるのは常ですが、具体的に誰かを選ぶための選考要項など、存在しません」

 元100メートル日本記録保持者の不破弘樹氏が言う。

「桐生君は試合で『いかに相手に勝ちにいくか』と考えすぎてしまう。それでは苦手な箇所にばかり意識がいき、得意の部分もうまく生かせません。シャープな走りをする彼のポテンシャルを考えれば世界陸上への出場も期待できますが……。今回の陸連の要項変更は、結果的に彼には『追い風』と言えるかもしれませんね」

“チキンレース”が始まる。

週刊新潮 2019年3月28日号掲載

ワイド特集「陽のあたる場所」より

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