「ピエール瀧」コカイン事件で歯ぎしりの警視庁 次なる標的は“演技派女優”“大物俳優”

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 ピエール瀧こと瀧正則容疑者(51)が、自宅でコカインを使った疑いで関東信越厚生局麻薬取締部に逮捕されたのは3月12日のことだった。

 瀧容疑者がコカイン事件の責任を問われるのは当然としても、過去の電気グルーヴの作品、さらには出演した映画やドラマをことごとく世の中から葬り去ろうとする動きは、あまりにもヒステリックな反応ではなかろうか。それによる違約金が「最低でも30億円は下らない」、「いや、100億円にのぼる」といった憶測ばかりが飛び交う現状に、瀧容疑者の実父が胸の内を明かす。

「年金暮らしのじいさんにとっては身が震える思いですよ。違約金のことを考えると夜も眠れません。息子には、間違っても俳優だなんて生意気な肩書を名乗るべきじゃない、もしお声が掛かったら与えられた仕事を一生懸命やればいい、そう言って陰ながら応援してきました。息子が悪いことをしでかしたのは間違いありませんが、そのせいで作品がお蔵入りになってしまうのは悲しい限りです」

 評論家の唐沢俊一氏が嘆息するには、

「かつて麻薬取締部はポール・マッカートニーを大麻所持の容疑で逮捕しましたが、そのせいでビートルズのレコードが発禁処分になったでしょうか。結局、いまの日本のテレビ局やレコード会社はクレームを恐れ、先回りして自主規制に走っているだけなんです」

 ここで思い起こしてほしいのが故・勝新太郎の「事件」である。

 1990年にホノルル空港で逮捕された勝のパンツからは、奇しくも、瀧容疑者が長年に亘る使用を告白したコカインと大麻が見つかった。だが、護送車のなかで苦渋の表情を浮かべる瀧容疑者と、自ら会見を開いて「もうパンツははかない」とぶち上げた勝には大きな隔たりがある。

「当時の世間や芸能マスコミには、勝さんのキャラクターを許容する余裕があった。さらに言えば、役者に人徳や品行方正さなど誰も求めていなかった。いまでこそ、役者は不倫ひとつでボロクソに叩かれますが、かつては“芸の肥やし”で済んでいたわけです」(同)

 無論、薬物犯罪自体を軽んじるわけにはいかない。けれども、綺麗ごとばかりをお題目のように唱え、コンプライアンスで雁字搦めになった世の中は息が詰まるだけである。これではもはや、勝新のように破天荒な役者が現れるはずもない。

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