「東大合格者」2019高校別ランキングベスト20 “都立健闘”の背景に石原元知事の大仕掛け

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“覚悟をもって入学するように”

 都立はほかにも西19人、国立16人、戸山12人、青山10人、中高一貫校化した小石川16人など、以前にくらべて健闘し、それも“石原効果”と見られている。

 その効果は神奈川にも飛び火していた。今年21人が合格した横浜翠嵐から東大に進学したOBが言う。

「05年、県内の公立高校の学区が撤廃され、07年に翠嵐、湘南など10校が進学重点校に指定され、13年には翠嵐と湘南だけがアドバンス校に指定されました。16年、翠嵐で“覚悟をもって入学するように”と書かれたプリントが配られ、話題になりました。平日は学年に2時間、休日は4時間を足した時間、勉強しろというのですが、実は重点校になってからは同様の指導がなされていました。“東大をめざしてほしい”と言われ、先生はよく面倒を見てくれ、定期試験ごとに校内偏差値も貼り出されました。ただ、最近は部活や行事も制限され、その分勉強するように指導されているそうで、OBは“自主性を尊重する校風が失われた”と嘆いています。湘南はいまも自主性に委ねられる部分が多いそうですが」

 石原氏の母校でもある湘南は19人。横浜翠嵐と並んで一時は1けたに低迷していた。石原氏の高笑いが聞こえるようだが、ともかく、この大号令に始まった公立復権の影響で、学芸大附属を蹴り、日比谷や翠嵐、湘南に進学する生徒が増えた。それが今年の数字にも表れているのである。

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