「東大合格者」2019高校別ランキングベスト20 合格者激減の“名門”も…

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「東大合格校」悲喜劇の舞台裏(1/2)

 盛者必衰の理というけれど、猛き者がいつまでも滅びないこともあれば、あっという間に風の前の塵と消えるケースも。東大合格校の話だ。今年も受験生たちの真剣なまなざしの背後で、盛者と塵が入り乱れた。むろん、そこで繰り広げられたのは悲喜劇である。

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 めざす頂きが高いほど悲喜劇も深まるというものだ。たとえば、東大が毎年合格者を発表する3月10日、受験生とその家族はもちろん、合格者数が看板になる高校や、OBたちの間にも、甲子園出場を決める戦いを見守るかのように固唾をのむ姿が見られた。

 だが、各々のドラマに焦点を当てる前に、合格者数ランキングのトップ校に目を向けたい。

 1学年160人中、毎年100人以上が東大に合格する筑波大附属駒場が未発表で、暫定的に開成と麻布という有名校がトップ2に並ぶ。開成は38年連続1位だが、187人はここ数年で最多。麻布も近年で最も良かった昨年に迫り、しかも現役が昨年より9人多い70人と内容がいい。

「校則がない自由な校風で知られる麻布も、2013年に平秀明校長が就任してから、落ちこぼれないようにきめ細かい指導が行われ、学力が高まっています。ところで、麻布は橋本龍太郎、福田康夫と2人の首相が輩出していますが、開成はまだ。OBの岸田文雄総理誕生が開成の悲願です」(さる教育ジャーナリスト)

 2校のつばぜり合いの陰には、サイドストーリーがあったのである。

 ところで、この2校の良好な結果は、入試問題とからめても語れそうだ。駿台教育研究所の石原賢一進学情報事業部長は、

「今年は、昨年数を減らした首都圏の中高一貫校が盛り返した印象があります」

 と言って、続ける。

「入試で英語が易化(いか)してあまり差がつかず、国語も古文が易化した。世界史もやさしく、文系で合否の決め手になったのは数学です。理系は数学と物理、化学が難化し、これらのできが合否を分けた。こうなると強いのは、進度が速くしっかり演習できる中高一貫校の生徒です。公立は高校に入ってから高校分野の勉強を始めるので、数学IIIなどは演習量が少なくなりがちです。特に理系の現役生は、理科2科目を仕上げるのが難しいんです」

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