「東大合格者」2019高校別ランキングベスト20 合格者激減の“名門”も…

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聖光と栄光

 中高一貫校のなかでも今年、合格者を増やしたのが93人の聖光学院だ。ずっと同じ神奈川の栄光学園の後塵を拝し、四半世紀前の1994年は栄光の66人に対し35人だった。ちなみに聖光学院は、野球の強豪である福島県の同名の高校とはなんら関係がない。著名なOBは小田和正で、聖光学院関係者が言うには、

「小田は栄光に落ちて聖光に進学。やはり栄光に入れず聖光の同級生になった鈴木康博と、オフコースを結成しました。以前から聖光がいまのように難関だったら、オフコースは誕生しなかったのです。だから、小田はいまも時々、聖光のホールで歌っています」

 小田が母校愛を寄せる聖光は、なぜこうも伸びたのか。聖光の進路担当は、

「例年通りの指導をしており、今年の結果は生徒たちが一生懸命やったから」

 と話すが、中学受験塾サピックス小学部の教育情報センター本部長、広野雅明氏が説明する。

「一昔前、サピックスの80%合格偏差値では聖光と栄光は横並びか、栄光のほうが上でした。それが6年前の偏差値は、聖光が64で栄光は61。栄光は試験問題が凝っていて、できる子でも相性が悪いと落ちる。一方、聖光は入試を2回行い、帰国生入試も行い、入口のチャンネルが多様で優秀層を逃がしません。また栄光は、いまは大学入試に関して面倒見がいいですが、6年前は思考力や記述力の鍛錬には熱心でも、入試対策は自分でやりなさいという面が残っていた。対して聖光は、大学受験対策も学校の使命だと早くから公言。校舎を新しくしたことにも人気が支えられました」

 だが、聖光の勝利、とは言い切れないようだ。

「19年の中学入試で、栄光と聖光の差はだいぶ縮まりました。栄光は昨年の東大合格実績がよく、校舎も新しくなったばかりで、人気が高まりました」(同)

 校舎の建設を監修したのは、OBで新国立競技場の設計者、隈研吾氏。小田に対する隈氏の逆襲はなるか。

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