「東大合格者」2019高校別ランキングベスト20 合格者激減の“名門”も…

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史上初トップテン入りした福岡の高校

 一昨年の78人が去年は48人に激減、今年72人に戻した渋谷教育学園幕張は、

「今後も増加基調になると思います。1月の試験で渋幕に合格したサピックスの生徒の3分の1弱は、2月以降受験していない。第1志望にする人が増えていて、特に千葉寄りに住む受験生は、都内の御三家に合格しても渋幕に進学する場合が年々増えています」

 と広野氏。では、なぜ昨年減ったのか。

「去年の卒業生は、東日本大震災後に初めて受験した層。地震で、埋め立て地にある渋幕の敷地は液状化に見舞われ、それを見て避けた家庭が多かったといわれた。すると案の定、東大合格者が減ったのです」

 と、先のジャーナリスト。広野氏は「数字的根拠はないのでは」と一蹴するが。

 3年続けて下がっていた駒場東邦は、少し盛り返したが、実は入試直前、危機に直面していた。

「1月下旬、週刊文春と週刊朝日が相次いで、駒東内で理科室不倫とパワハラが起き、校長が更迭されると報じたのです。悔しがったのは在校生たち。こんな報道に負けるか、という気概も、よい結果につながったのでは」(駒東関係者)

 雨降って地固まる、か。

 さて、意外と言っては失礼だが、久留米大附設が躍進し、同じ九州のラ・サールを突き放した。

「福岡の高校がトップテンに入るのは史上初」

 とは安田氏の弁。同校の進路指導室に尋ねると、

「実は附設中学を6年前に共学化して、今年が初めての大学受験でした。東大や理系は女子に厳しいという印象があり、どうなるかと思いましたが、期待以上に頑張ってくれました」

 ところで久留米大附設は、今年、東大文1を受験して不合格だったホリエモンこと堀江貴文氏の母校。すでに述べたように、今年の入試は数学勝負だった。「数学なめてたよね」とぼやいて見せたホリエモン、あと少し頑張れば、母校の合格者数は51になったのか。

(2)へつづく

週刊新潮 2019年3月21日号掲載

特集「『石原慎太郎』が笑い『西川史子』が愁える 『東大合格校』悲喜劇の舞台裏」より

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