「大坂なおみ」色白アニメ問題、“黒だとマズい”と判断? 制作の裏側は…

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“黒だとマズいから”

 動画制作チームの一員とされる電通の関係者によると、

「ミーティングで、“黒だとマズいから白で行こうよ”という話になったようです。納品までの時間が足りず、手を抜いたという話もありますね。いずれにせよ、ウェブ用なので、テレビCMの時に行なう厳しいコンプライアンスチェックをすることもなかったと聞いています」

 どうして黒だとマズいと考えたのか。それはミステリーだから電通に質すと、

「そのような事実はございません」

 としながらも、

「個別取引に関するご質問にはお答えいたしかねます」

 と回答する。日清食品HDの安藤宏基社長は、

「広報に聞いてください」

 とし、当の広報は、

「当社としては、IMGジャパンという大坂選手のマネジメント会社を通じて、大坂選手にもCMを確認してもらっていたと認識していました」

 と言う。が、両者は行き違っており、日清に落ち度があったのは明らかだ。

 制作チームの一員である日本アドシステムズの野田孝寛社長は、

「言いたいことはあるんだけど……」

 と含みを持たせたものの、それ以上踏み込むことはなかった。

 折しも、NHK朝の連続テレビ小説は日清の創業者・安藤百福をモデルにしている。動画が削除されたちょうどその頃、ドラマでは即席ラーメンの開発が緒につき、日清食品誕生前夜の明るさに満ちていた。皮肉な巡り合わせである。

週刊新潮 2019年2月7日号掲載

特集「全豪優勝に冷や水! 『大坂なおみ』色白アニメに怒った人々」より

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