「大坂なおみ」色白アニメ問題、“黒だとマズい”と判断? 制作の裏側は…

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

“白人化”で「ヴォーグ」誌に批判も

 さて、この快挙のお陰で“無罪放免”されそうなチョンボ、あるいは快進撃に水を差した騒動に触れておかねばなるまい。具体的には、日清がYouTubeで公開したカップヌードルのPR動画についてだ。この動画には、大坂に加え、彼女と同様に日清所属の錦織圭がアニメ・キャラクターとなって登場。「修行開始篇」が1月11日に、「いざ、グランドスラム篇」が14日にアップされていた。

 試みに第2弾の中身を紹介しておくと……大坂と錦織に、鬼コーチから「グランドスラムは生半可な覚悟じゃ勝ち抜けんぞ」と叱咤が飛ぶ。100ゲームに亘る特訓、「日清月歩の極み!!」の結果、大坂は身体が巨大化して、超人のような「なおみチャンピオン!!」に変身を遂げる……。

 問題視されたのは大坂の肌の色である。ほぼ白で錦織と変わらない。

 誰がどう見ても大坂は褐色であり、どうして色が抜かれることになったのか。

 この動画は公開直後から、黒人の血を引く彼女を“白人化”したと難じられた。英語で言えば、“ホワイトウォッシュ”。有色人種に対する白人の優位を前提とした発想で、人種差別を助長する演出手法だと見做されている。画に対する論難は些か過剰とも言えたが、それに抗しきれず、1月23日に削除されたのだった。

 米国の事情に明るい山口真由弁護士はこう解説する。

「2017年、『ヴォーグ』誌が日本の美しさをテーマに伊勢志摩で撮影した際のことです。モデルに白人を起用し、“黄色い顔より白い顔の方が美しいのか?”と批判に晒され、モデルが謝罪したケースがホワイトウォッシュの例として挙げられます。私たちが無意識のうちに“白人は黒人より優れている”というような価値観を垂れ流しているかもしれないわけで、そういうものは意識するとしないとに拘らずなくしていかなければいけないと思いますね」

次ページ:“黒だとマズいから”

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。