日本人のIQは世界で第何位? 「国別IQランキング」の衝撃

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国別IQ一覧

 世の中にはタブーとされることは数多くある。
 たとえば「容姿」について。
「ブスは○○だ」「デブは○●だ」といった物言いは、親しい間柄や熟練の芸人同士のやり取りであればOKかもしれないが、職場などでは極力避けたほうがいいだろう。
 あるいは「育ち」についても。
「あの人は●●出身だから……」といった考え方は、差別に直結しやすいから最大限の注意が必要だ。日本国内では「大阪の人は面白い」といった表現が安易に使われがちだが、これとて結構危なっかしい。

 そして、世界規模でいえば「人種」についての議論は極めてデリケートな配慮が必要とされている。「黒人だから足が速い」「ラテン系は女好き」「ドイツ人は堅物」といった表現も、差別につながりかねないと指摘する声は存在するのだ。
 しかし、興味深いのはその一方で欧米の科学者たちの中には、こうしたテーマにも果敢に挑む人が少なくないという点である。
 作家・橘玲氏が新著『もっと言ってはいけない』で紹介しているのは、「国別IQ一覧」だ。

 もともとはイギリスの認知心理学者リチャード・リン氏が世界各国の知能テストのデータを収集し(あるいは自身で実施し)、著書(『Race Differences In Intelligence』)に掲載したものだ(正確には「国・地域・民族別」になっている)。

 こうした調査は、かなりデリケートな問題をはらんでいるのは事実で、リン氏は欧米のリベラルから「白人至上主義」「人種主義」と批判されることもある。そして、日本においてもこの著書は翻訳されていない。

 しかしながら、こうした批判的な見方に対して橘氏はこう述べる(以下、引用はすべて『もっと言ってはいけない』より)。

「PIAAC(国際成人力調査)や、日本でも大きく報道されるPISA(国際学力調査)のように、国際的な公的機関が国別の学力ランキングを公表している。IQと学力は同じではないが、その相関がきわめて強いことは認知科学では常識だ。学力ランキングは問題なくて、『IQの国別比較は差別だから許されない』との主張はバカげている。――日本では『リベラル』を自称するメディアが、高校や大学の偏差値ランキングをさかんに商業化していることも付け加えておこう」

 問題は、こうした調査やデータの公開ではなく、あくまでもそれによっていわれのない差別を口にしたり、実行したりすることなのである。

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