韓国・中国だけでなく日本でも… 議員会館で「反・犬食映画」上映会が開催

社会2019年1月30日掲載

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元飼い犬が食用に…

「紀行」のタイトルどおり、作中では中国、韓国、そして日本の3つの国を通して、犬肉の文化の“現実”が描かれる。たとえば、中国広西省チワン族自治区の玉林で行われる「犬肉祭」。毎年ひらかれるこの祭りでは1万頭の犬が殺されるといい、犬を救い出す活動を続ける女性をカメラは映し出す。が、取材クルーは犬肉業者に目をつけられ、しまいには保護を名目に、公安警察の監視下に置かれてしまう……。

 中国では、SNSでの拡散をきっかけに集ったボランティアが、犬を屠殺場に運ぶトラックを緊急停止させる出来事が2016年にあったという。“飛ぶものは飛行機以外、四つ足は机と椅子以外食べる”とも揶揄される中国だが、こうした反犬肉活動が、若者らを中心に展開されてもいるのだ。後述の韓国ともども、ポピュラーな食文化ではないことが強調される。

 食用になる犬の中には、もともとペットだった犬もいるという。「飼い犬が盗まれるケースもあるが、経済発展の恩恵で飼い主がマンションに引っ越し、飼いきれなくなって売られる犬もいる」との証言は、中国ならではの事情と言えるかもしれない。

 同様のケースはお隣の韓国でも取り上げられた。取材に応じた「犬肉食堂」の店主は「店の前に犬が捨てられていることがある」。飼い主の意図はいわずもがな、だ。ちなみにこの食堂ではイケスの魚よろしく生きた犬が檻にストックされていて、主人は丁寧にその捌き方をカメラの前でレクチャーして見せる。電気ショックで殺し、マシーンに入れて毛をむしる。そして60度のお湯の中へ入れて調理……。犬を持ち出しての実演ではなく口頭での解説なので安心を。

 驚くべきは、この食堂では“食材”以外にペットとして小型犬が飼育されてもいること。主人いわく娘が可愛がっているそうだが、「食用犬とペットは分けている」「生活があるので、気持ちを切り替えてやっている」そして「犬に限らず、すべての動物は利用する。人間と動物の関係とはそういうものでは?」との主人の発言は、生活に根差したゆえの含蓄ある言葉ではなかろうか。

 作中では、こうしたエピソードとともに、虐待同様の環境で管理される犬の姿や、実際に殺害されるショッキングな映像も収録されている。

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