就職先がこんなに違う「早稲田」と「慶應」の文学部 “マイペース”vs.“ブランド指向”違いが浮き彫りに
新学長の“早稲田改革”
「可能性は十分にある」
と話すのは、東進ハイスクールを運営するナガセの市村秀二広報部長である。
「昨年11月に総長になった田中愛治氏は、“早稲田を改革する”と言っています。特に総長選のマニフェストで語られたように、単科医大を吸収合併するという医学部設置構想を持たれている。最先端の医療はテクノロジーとの融和が不可欠ですが、早稲田には理工系の3学部があり、幅広いテーマで研究できる。ここに医学部が入ったら、最強の研究、教育の融合が実現するかもしれません」
そのときには全学のイメージが上昇する可能性がある、というわけだ。また、早稲田の大学職員も、
「田中愛治先生は、本学出身かどうかに関係なく、優秀な先生、職員、学生をどんどん受け入れよう、と強調しています。ザ・ワセダでなく、ダイバーシティを高める方向で改革が進んでいこうとしています」
だが、いずれにせよ、選ぶべきは自分に合う大学である。駿台教育研究所進学情報部長の石原賢一氏は、
「早稲田と慶應が同じような大学になれば、日本の大学全体の衰退につながる」
と話すが、早慶それぞれのカラーが担保されているからこそ、自分に合った豊かさが選択できるのである。
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