「天皇」から「上皇」へ どうなる“お金”“職員”事情

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 慣れ親しまれた皇居を離れ、高輪へと移られる両陛下。一切のご公務を新天皇へとお譲りになり、お二人で安寧の日々を送られることだろうが、そのご身辺について、皇室ジャーナリストの山下晋司氏が言う。

「現在、皇居で両陛下のお世話にあたる『侍従職』は79人で、皇太子ご一家をお支えする『東宮職』は56人。5月の御代替わり後の新侍従職は4人減の75人に、新たに作られる『上皇職』は65人になる見通しです」

 すなわち、両陛下のお世話を受け持つ職員は減少することになる。

 同じく皇室ジャーナリストの神田秀一氏も、

「現在、宮内庁の職員はおよそ千人ですが、公務員の上限数を決める『総定員法』という法律があり、上皇職のために新しく人員を募集することはできず、現状の範囲でやりくりするしかありません。最終的には侍従職から減員して上皇職とし、残った一部を現在の東宮職に加え、新たな侍従職とする方法に落ち着くのだと思われます」

 実際に上皇職からは、医師や看護師などではなく、陛下が国事行為に使う印章などを管理する職員らが減ることになる。一方で、新たな侍従職からは医療関係者が減員される予定となっている。

 人員とともに、ご家族ごとに配分される予算も気になるところだが、先の山下氏は、

「現在、両陛下と皇太子ご一家の五方で年額3億2400万円の『内廷費』が国から支給されています。いわゆるお手元金というもので、退位特例法でも『上皇及び上皇后の日常の費用等には内廷費を充てる』と定められましたので、こちらは変わりません」

 とのこと。ちなみに「皇嗣家」となられる秋篠宮家の場合は、

「職員は現在の24人から51人になります。また退位特例法で皇嗣の皇族費は3倍と定められましたので、秋篠宮殿下は現在の年額3050万円から9150万円となり、ご一家で1億2810万円になります」

 装いも新たに、次代の皇室が幕を開けるわけである。

週刊新潮 2019年1月17日号掲載

特集「『御代替わり』7つの謎」より

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