川口春奈だけが面白かった「笑ってはいけない」視聴率低下で“保守的すぎる”の声

エンタメ 芸能 2019年1月17日掲載

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「紅白」とマンネリ競争?

 近年、「紅白」の視聴率が最も悪かったのは15年。星野源(37)、ゲスの極み乙女。、Superfly、レベッカなどが初出場を果たした第66回で、第1部が34.8%、第2部が39.2%と共に40%を割り込んだ。

 だが、ここを“底値”として、「紅白」の視聴率は右肩上がりに回復している。先の折れ線グラフにある通りだ。

「絶対に笑ってはいけない」が紅白の“ライバル”であることは論を俟たない。初めて大晦日に放送されたのは06年。それ以来、年々視聴率を上昇させてきた。

 興味深いことに、グラフからは「笑ってはいけない」が「紅白」の視聴者を奪ったわけではないことが分かる。確かに「紅白」の視聴率は減少しているが、「笑ってはいけない」の上昇率は、それを上回っている。

 2000年代後半は、いわゆる「若者のテレビ離れ」が取り沙汰された時期だ。「紅白」と「絶対に笑ってはいけない」は、共に視聴者をつなぎ止める役割を果たしていた。実際、「両方を行ったり来たりして見ている」という方は、今でも少なくないだろう。

「笑ってはいけない」が頂点を迎えるのは13年。「絶対に笑ってはいけない地球防衛軍24時」は第1部が19.8%、第2部が17.2%という視聴率を記録した。サプライズゲストとして、当時は広島東洋カープに所属していた前田健太(30)が出場した、と説明すれば、思い出された方もいるに違いない。

 だが、この年をピークとして、「絶対に笑ってはいけない」の視聴率は右肩下がりで減少していく。一体、何が原因なのだろうか。前出の日テレ関係者が言う。

「ここ数年は数字が悪く、更に今回はワースト記録の視聴率に終わってしまいました。理由として、まず松本人志さんが55歳となり、奥さまやお子さんと幸せな家庭を築いていることが挙げられると思います。画面のどこかに、“いい人”や“よき家庭人”の雰囲気が滲み出ています。若い頃の笑いに貪欲だった姿とは、比較になりません」

 この関係者は「今年、楽しく見ることができたのは、川口春奈さん(23)のヤンキーネタだけでした」と振り返る。「同意」という方も相当な数にのぼるだろう。

「松本さんの衰えと共に、番組の構成力や演出力も落ちています。その原因は、やはり名物プロデューサーだった菅賢治さんが、14年に日テレを退職したためでしょう。薫陶を受けた中堅や若手が奮戦しているとはいえ、やはり菅さん本人が目を光らせていた頃のようにはいきません」

 だが、ライバル民放キー局の制作スタッフは「松本さんが衰えたとは思いません」と反論し、「ゲストの弱さが致命的でした」と指摘する。

「この番組は、松本さんが直接、視聴者を笑わせることはできません。番組スタッフが松本さんを笑わせ、その結果、視聴者が笑う、というワンクッションがあります。そのためにゲストが弱いと、松本さんの笑いも自動的に弱くなってしまうんです」

 この制作スタッフは傑作ゲストの例として、16年「絶対に笑ってはいけない科学博士24時」の斎藤工(37)と西岡徳馬(72)、そして17年「絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時!」からは原田龍二(48)を挙げる。

 3人はそれぞれ「サンシャイン池崎」、「乳首ドリル」、「変態仮面」を披露した。今でも話題になるほどの完成度に、視聴者は爆笑した。

「匹敵するインパクトがあったのは、確かに川口春奈さん1人だけでした。それに加え、スタッフ側が仕掛ける場面が減少している印象を持ちました。結局、メインの出演者5人にゲームやクイズをやらせるだけで、普段のバラエティと変わらないトーンでした。大晦日という特別な時間帯を感じさせる演出が少なかったため、若者の視聴者が紅白に流れてしまったのかもしれません」(同・制作スタッフ)

 ネット上の指摘を拾うと、やはり「マンネリを感じている」という声が少なくない。ワンパターンと言えば「紅白」のほうが歴史は長いが、歌はバリエーションを感じさせることができる。

 一方の「絶対に笑ってはいけない」は、「笑ったらお尻を叩かれる」というルールは不動だ。マンネリが避けられない番組と言える。

 歴史を振り返れば、記念すべき第1回は03年7月、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」の中で放送された「松本チーム罰ゲーム 絶対笑ってはいけない温泉宿一泊二日の旅」だった。

 以来、16回が放送されてきた。どんなに才能のある制作スタッフが携わっても、年々、マンネリ打破のプレッシャーは増す。日テレにとって今年の大晦日は、まさに正念場だろう。

週刊新潮WEB取材班

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