2年間“理事長”“学長”が不在の名門「日本女子大」 調停役も激怒する異常事態

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

「本女(ポンジョ)」の略称で知られる日本女子大学で異変が起きている。1901年の創立には、NHKの連続テレビ小説『あさが来た』で主役のモデルになった女性実業家の広岡浅子も関わった、そんな名門女子大学に何があったのか。

 ***

「世間ではあまり知られていませんが、日本女子大学は約2年間、理事長と学長が不在になっています」

 そう証言するのは、さる大学関係者だ。大学内では、トップの蟻川芳子・理事長代行(78)を支持するグループと、No.2の大場昌子・学長代行(60)を支持するグループが、対立を深めていることが問題の背景にあるという。

「学長選挙では、まず学長候補選考委員会が、3名以上5名以内の候補者を選びます。次に、付属校も含めた全教職員が候補者に投票し、1名を学長候補として選ぶのです。大場さんは、過去3回の選挙すべてで最多得票を得て、学長候補に選ばれています。つまり、教職員からの支持は厚いわけです。ですが、少数の蟻川派の理事や評議員が、大場学長を最終的に指名することを拒否し続けています」(同・大学関係者)

 この関係者によると、学長候補は最終的に、理事会と評議会で、それぞれ3分の2以上のメンバーから賛同を得なければならないという。

「蟻川派は、大場さんが博士号を持っていない点などをあげつらい、学長にふさわしくないと主張しています。でも、要するに彼女たちは、自分たちに従わない大場さんが疎ましいだけのです。いずれにしても、蟻川派が態度を軟化させない以上、埒が明きません。そこで理事会と評議会は昨年10月、事態の収拾を図るため、賛成多数で決議した上、調停を第三者に依頼しました。調停役に選ばれたのは、文部大臣もつとめた有馬朗人・東大元総長と西原春夫・早大元総長、それに本学出身で作家の平岩弓枝さんの3名です」(同・大学関係者)

 西原早大元総長が11月20日から連日、理事会や評議会のメンバーにヒアリングを開始。予定では12月中に調停案が示され、一件落着となるはずだった。しかし、事態が一変する出来事が起きる。

「調停結果が蟻川理事長代行の望む人事の結果にならないと見たのでしょう。蟻川理事長代行が『もともと私は調停に反対だった』と言い出したのです。第三者に調停を依頼することは、理事会や評議会で決まったことですし、西原さんたちに調停役をお願いしたのは蟻川理事長代行ご自身です。彼女のこの言動には、さすがに呆れてしまいました」(同・大学関係者)

次ページ:〈屈辱的なのは…〉

前へ 1 2 3 次へ

[1/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。