観月ありさ、連ドラ女王から舞台へ “いわくつき”手塚治虫作に主演

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 数ある手塚治虫作品の中でも“いわくつき”といっていいだろう、『ダスト8』。生と死という重いテーマを扱い、1972年、連載していた少年誌で打ち切りに。でも手塚の思い入れが強く、全集刊行の際、わざわざ書き下ろし部分を加え、収録させた一作である。

 今年1月19日からKAAT神奈川芸術劇場で開幕する「悪魔と天使」は、その手塚の“幻の名作”が原作の舞台だ(2月3日まで。その後は大阪、名古屋に)。

 主演は観月ありさ42歳。舞台での演技は今度で7度目となる。

 物語は、列車事故で奇跡的に助かった乗客8人のその後の人生が描かれる。観月は人間に乗り移り、8人が助かる要因となった「生命の石」を取り戻す“精霊の悪魔”役に挑戦する。

 舞台関係者はいう。

「観月さんが演じるのは、本来は実体のない“精霊の悪魔”という難しい役どころ。この舞台の監修、脚本を務める佐藤幹夫さんと彼女は、3年前の舞台『シェイクスピア物語』でも一緒でした。シェイクスピアの不倫相手、貴族令嬢役を違和感なく演じていたのを佐藤さんは覚えていて、今回のキャスティングとなったようです」

 かつては“連ドラ女王”の異名をとった観月も、最近テレビで見かける機会は少なくなった。代りに増えたのが舞台である。昨年も、3月の又吉直樹原作「火花」、元宝塚トップスターたちと組んだ8月の「座・ALISA」と続いた。

「2007年の初舞台『歌の翼にキミを乗せ』の時は、台詞は棒読み、演技もぎこちなかった。でも独特の存在感があったんですよね」

 とは、さる演劇評論家。

「小顔でスタイルがよく舞台映えする。テレビでは年相応に見えてしまうところ、若々しく感じられるんです。決して演技派とはいえませんが、場数を踏むうち舞台女優として貫禄が出てきた。今回の手塚ワールドならではの“浮世離れ”したキャラクターなんて、案外ハマり役かもしれませんね」

 連続ドラマ主演の記録を持つ観月、次は舞台で……。

週刊新潮 2018年12月27日号掲載

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