中谷美紀、独ビオラ奏者と結婚! 好きな人と一緒に暮らすことは自分を輝かせること 京大名誉教授が語る「結婚の意味」

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 女優の中谷美紀さん(42)が、かねてから交際していたウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のドイツ人ビオラ奏者、ティロ・フェヒナー氏(50)と結婚したと、自身の公式サイトを通じ報告した。
 
 中谷さんは「日本とオーストリア、異なる国で暮らす私たちは、話せば長くなるような不思議な偶然が重なって、2016年の秋に出逢い、信頼関係を育んで参りました」と綴り、「共に山歩きをする時などは、常にこちらのペース配分に配慮し、自らの楽しみや利益よりも、人の幸せを優先する彼の人柄に惹かれました」と馴れ初めを明かした。今後も女優の仕事は続けるが、拠点はオーストリアに移すという。

 幸せいっぱいの2人の結婚に、SNSでも「おめでとうございます」「素敵!」「幸せそうで憧れる」など、祝福の声が相次いでいる。

 単純に日本での女優業を考えた場合には、海外に拠点を移すことは不利にも見える。しかし、一方で幸福な結婚生活がより彼女の魅力を増す方につながる可能性も十分あるだろう。永田和宏京大名誉教授(細胞生物学)は、新著『知の体力』の中で、自身の経験も踏まえながら、伴侶を得ることの意味を若い人に向けて語っている。

 永田教授の妻は高名な歌人の河野裕子さんで、教授自身も日本を代表する歌人だ。中谷さんのような有名人に限らず、これから結婚をする人やすでにした人にとっても、味わい深いであろう文章を引用してみよう。

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 先に私は、相手の対応によって、自分が全開できることもあれば、逆に見る影もなく萎んでしまうこともあることを書いた。できれば、自分の可能性を開いてくれる存在と向かい合いたいものである。そんな自分をもっとも素晴らしい存在と思わせてくれる存在こそが、愛する相手であってほしい。

 一緒にいたいと思う心情は、単に相手が美しいとか、頼りになる逞しさをもっているからといったものではないだろう。愛情の第一歩は、一緒にいるのが楽しい、一緒にいることそのものが大切な時間として意識できる、そんな単純な感情であろう。それはそのままでいいのだが、もう一つ、一緒にいることによって、自分のいい面がどんどん出てくると感じられる相手こそが、ほんとうの意味での伴侶となるべき存在なのだと、私は思っている。

 一緒にいると、どうしてもその人間の欠点ばかりが見えてくるという人は確かにいるものだ。あるいは相手の欠点ではなく、一緒にいるとどうにも自分の嫌な部分・側面が見えてしまう、そんな相手もあるものだ。そんな存在とは、一緒にならないほうがいい。一緒にいると相手のいい面に気づく、そのいい面に気づく自分がうれしく感じられる。その人と話していると、どんどん自分が開いていく気がする。お互いにそんな存在として相手を感じられるような関係こそが、たぶん伴侶と呼ぶにふさわしい存在なのに違いない。

 どんな大学に入学しても、どんな賞を獲得しても、どんな大会に優勝しても、どんな素晴らしい成功を収めても、心から喜んでくれる人がいなければなんの意味も持たないのとちょうど逆に、ほんのちょっとした自分の行為を心から褒めてくれる存在があるとき、自分がそれまでの自分とは違った輝きに包まれているのを感じることができる。

 私はこの文章を、若い人たちを念頭において書いてきているが、ぜひそんな一人に出会うことによって、それ以前には自覚できていなかった「輝いている自分」に出会ってほしいと願っている。心から愛することのできる人を得ることは、すなわち自分のもっともいい部分を発見することなのである。

 愛する人を失ったとき、失恋でも、死による別れでも、それが痛切な痛みとして堪えるのは、愛の対象を失ったからだけではなく、その相手の前で輝いていた自分を失ったからなのでもある。私は2010年に、40年連れ添った妻を失った。彼女の前で自分がどんなに自然に無邪気に輝いていたかを、今ごろになって痛切に感じている。

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 結婚を機に、ますます輝きを放つであろう中谷さんの活躍が期待される。

デイリー新潮編集部

2018年11月27日掲載

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