「ウルトラマンの法則」で“正しく叱る” 言葉遣いだけじゃない指導のコツ

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

パワハラ告発されない大人の「怒り方」(2/2)

 2001年に登場した「パワーハラスメント」という言葉は、瞬く間に世間に浸透。“ゆとり”に代表される打たれ弱い世代の社会進出と併せ、今や叱ることが難しい時代になっている。こちらの真意が伝わらないどころか、反発、告発までされるだけに、正しい「怒り方」を身に着けておきたい。「言葉」遣いの問題を気にするだけではダメで、「怒る」その場の状況にも配慮する必要があるのだ。

 ***

 日経サービス社長で、『ビシッと言っても部下がついてくる できる上司の叱り方』著者の嶋田有孝氏は言う。

「まず、その場で、即座に叱ることが必要です。ホットなタイミングで叱られるからこそ、強く心に響く。人間は感情が伴うとその行動に対する記憶が強化されますから、しっかり覚えるのです。逆にずいぶん後になって、“君はそう言えば、先月もこういうことをしたな”はダメ。“なぜそんな昔のことを今日叱られるのか”“自分はこの1カ月、そう思われていたんだ”と、改善すべき内容に集中できなくなり、別の面で不満を抱く原因にもなりかねません」

 また、会議やミーティングの場で、チーム全体を叱ってもダメ。チーム全体を叱っても、個々人は、「自分は悪くない」「他人事だ」としか思わない。あくまで部下を個別で指導することにこそ意味があるという。

 さらに、「ウルトラマンの法則」なるものも重要だ。

「部下を叱る時にネチネチと叱ってはいけません。叱る時間が長ければ長いほど、話の焦点がボケてしまい、相手の集中力が続かなくなります。“あれだけ時間をかけて熱意を込めて叱ったんだ。きっとわかってくれただろう”などと思うのは、上司の自己満足に過ぎません。長時間叱ると、こちらの感情が高ぶり、本来のテーマ以外にも様々なことを話してしまう。そこに必ず入ってくるのが『武勇伝』です。そうなると、部下は緊張感も途絶え、“早く終わらないかな”などと別のことを考え始めてしまうのです」

 ウルトラマンの戦いと同じで、最大3分が限界、と言うのである。

次ページ:ポーズ、目線も

前へ 1 2 3 次へ

[1/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。