「皇室」が売れ行き好調という2019年カレンダー 付属する“謎のシール”の正体は…

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ウチ以外はやっていない

 イレギュラーなのはそこだけではない。皇太子さまが即位される5月1日が来年限りの祝日となることにあわせ、4月27日から5月6日が10連休となるのはご存知のとおり。他にも、「即位礼正殿の儀」が行われる10月22日も祝日になるのだが、

「カレンダーは夏前くらいから作り始めるのですが、その時点ではまだ、祝日がどうなるかわからないわけですよ。だから、5月1日などは祝日の赤字ではなく、黒字の表記にするしかありませんでした」

 カレンダーの表紙に〈暦情報は2018年4月現在のものです〉とやはり断り書きがあるのは、そのため。こうした条件は、他社も同じだった。いずれも見切り発車の“黒字”で制作に踏み切ったのである。

 しかし、諦めなかったのが沼端社長である。“ウチ以外はおそらくどこもやっていない”と胸を張るのが、一部商品の付録として用意された「祝日訂正シール」だ。

 こちらは半透明の赤い円形シールで、カレンダーの数字を隠すことなく、上から貼ることができる。つまり、現状では平日表示となっている5月1日などを、シールで祝日にしてしまえるのだ。製品にあわせて大中小のサイズが用意されているのも嬉しい配慮である。

「シールといったって安くないんですよ。一部一部、商品の袋にシールを入れ込む手間もかかり、その分の料金をどうするか、印刷製本所との間で攻防がありましたよ。そもそも印刷代として、別途一枚30円くらいかかっています。かといって、このためにカレンダーの値段を上げるわけにもいかない。苦しいところですが、今年は別途予算を計上しましたよ」

 こちらも“赤”にならないとよいのだが……。

週刊新潮WEB取材

2018年12月24日掲載

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