「蒼井優」妻を亡くした“元不倫相手”との一晩 150分対話劇で熱演

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「誰かに聞いたの? 今来れば私がいるって?」

「いや。いるだろうなと思っただけ」

「たまたま通りかかったとか?」

「いや、そろそろいい頃だと思ってさ」……

 身に覚えのある方もいるのではないか。妻を亡くした、かつて不倫関係にあった男が“私”を訪ねてきて、一夜を語り合う物語である。

 12月6日、新国立劇場で開幕した、英国の劇作家D・ヘア原作の「スカイライト」だ(24日まで)。

 主演は、1~2月にギリシャ悲劇の舞台「アンチゴーヌ」で話題をさらった蒼井優(33)。およそ10カ月ぶりの舞台となる。

 休憩を挟み全編約2時間30分の大長篇、出演者はたったの3人、舞台上には常に2人だけという対話劇。主演の蒼井は1人出ずっぱりで、熱演を披露している。

 蒼井が演じるのは、ロンドン郊外に住む教師キラ。かつての不倫相手トムには浅野雅博が扮する。

 未練と不信感の渦巻く2人。やがて会話が進むうち、ついには本音をぶつけ合い……。“幸せとは何か”を問うていく大人のドラマだ。

「蒼井の台詞は台本200ページにも及ぶもの。彼女の部屋が舞台となる1幕2場で、包丁を使い料理したり、風呂場からバスタオル一枚巻いただけで出てくるなんてシーンも見せてくれます」

 とは、観劇した芸能記者。

 この舞台、客席に大きな特徴がある。ステージを真ん中に正面と向う正面の2方向から、客席が向い合う形で設えられている。演じる者は常に後姿を晒しながら演じることになるのだ。

「客席からの距離も近く、蒼井の首筋、足の裏まで窺えるほど。そんな中、蒼井は都会の中の孤独な女を見事に演じていました。映画やテレビよりも生の舞台の方が存在感を発揮でき、彼女には向いているのかもしれませんね」(同)

“恋多き”女の肥やしが生きる。150分間があっという間に過ぎていく。

週刊新潮 2018年12月20日号掲載

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