ツキノワグマ“世話係殺害”事件 飼い主の落ち度は?

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 飼い犬に手を噛まれるとは言うが、それがクマだったら……。茨城県取手市内の住宅で12月2日、70歳の男性が飼っていたツキノワグマにアルバイト飼育員の盛宗一郎さん(56)が襲われて死亡した。

 そのツキノワグマは15歳の雄で、体長約1・3メートル、体重約110キロ。事件当日、世話のために檻に入った盛さんを、クマが襲って後頭部の皮が剥がれるほど引っ掻いたり噛んだりしたという。その後、救急車で病院に運ばれた盛さんだったが、9時間後に息を引き取っている。取手署の説明では、

「クマの檻は縦6メートル、横2・6メートル、高さ2・1メートルほどの大きさで、鉄格子がはめられています。事情聴取の最中ですが、飼い主の話ではクマを飼い始めたのは15年前で、被害者の盛さんが“世話係”になったのは1年以上前からのようです」

 そもそも、個人でクマを飼うことができるのか。茨城県生活衛生課に聞くと、

「『動物の愛護及び管理に関する法律』により、個人でクマを飼うことは可能ですが、許可制で檻など施設の基準検査は必要。今回の檻には、世話をする時にクマを隔離する鉄柵がありましたが……。ちなみに、県内では、個人で飼われているのは今回の1頭だけです」

 ツキノワグマの生態に詳しい、酪農学園大学の佐藤喜和教授によれば、

「このクマは、人間でいえば30~40歳ほどでしょうか。20歳を超えても繁殖活動をするケースがあるので、まだ現役といえるでしょう」

 で、クマは人に懐くの?

「クマも、毎日世話をする人の顔を認識できますが、懐くかは育て方次第だと思います。畑正憲さんのように、小さい時から育てれば懐くと思います。とはいえ、動物園や熊牧場でも、世話をする時にはクマを隔離している。が、今回は……」

 飼い主が“隔離するように”と、毎日念を押していればこんな悲劇は起きなかったかもしれない。

週刊新潮 2018年12月13日号掲載