カリスマから犯罪者へ転落の「カルロス・ゴーン」 それでも出所後は“大統領選”出馬の真贋

ビジネス 企業・業界 週刊新潮 2018年12月6日号掲載

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 11月19日に金融商品取引法違反容疑で逮捕された、日産自動車のカルロス・ゴーン会長(64)。羽田空港に降り立ち逮捕されるまで、プライベートジェットに悠々と座る男は我が世の春を謳歌していた。

 好きな時間に世界中を飛び回れ、機内では誰に気兼ねすることなく自分好みのサービスが受けられる。しかも、視線の先に微笑む顔は、おめがねに適った女性たち。まさに王様気分を満喫していたことだろう。

「堅物に見えるゴーン氏ですがとにかく気に入った女性は大事にするんです。過去には、エールフランスの機内でたまたま出会った日本人CAを引き抜いてお世話係にしたり、見事なプレゼンを披露した他社の女子社員を、スカウトしたこともありました。口説く時は単刀直入、有無を言わせぬ勢いで、自ら“君が必要なんだ”と言ってのけたそうですからね」(日産関係者)

 入社した女性の一人は、“日産初の女性専務”として抜擢されている。

 逮捕騒動では、各国に疑惑の豪邸を構えていたことが暴露された。幼少時から高校までを過ごしたレバノンのベイルートと出生地であるブラジルのリオデジャネイロの住宅は日産の子会社に計21億円かけて購入させ、ゴーン容疑者とその家族が私的に使用していたとされる。

 カリスマ経営者の底知れぬ銭ゲバぶりが明るみに出てきたわけだが、その原因は幼少期の赤貧洗うが如き生活にあったのではないか。

 昨年初めに連載された日経新聞の「私の履歴書」で、ゴーンは自らの来し方についてこう触れている。

〈祖父は20世紀初めに13歳でレバノンを後にし、ブラジルに渡った。(略)祖父はリオで少し働くと、アマゾン川流域にチャンスを求めて移った。ボリビアとの国境にあり、ブラジル領にまだなっていなかったグアポレ、今のロンドニア州ポルトベーリョという未開拓地だった〉

 そして、ゴーンもその地で1954年に誕生した。

〈元気のいい赤ん坊だったが、2歳になったある日、事件が起きた。アマゾン川流域は高温多湿で蚊が多い。子供はみな煮沸した水を飲んでいたが、私は井戸の水をそのまま飲んでしまった。高い熱が続き、生死をさまよった。医者は両親に「この子に元気になってほしければ、気候のもっといいところに引っ越しなさい」と言ったという〉

〈家族は医者の勧めでリオデジャネイロに引っ越した。だが、私はなかなか回復せず、母は「もっと環境のいい所で療養を」と父に訴えた。父も反対しなかった。話し合った結果、母と姉、私はレバノンに移り、仕事のある父はブラジルに残ることになった〉

 未開の地で生まれ育ったゴーン。その貧しさの経験がゴーン少年をして、あくなき金欲、権力欲に向かわせたのか。

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