支度金60億円“かぐや姫の嫁入り” 中国資本に飛びついた大塚家具

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父の路線への強制回帰

 ご臨終間近ということだが、信用調査会社の社員は、

「10月ごろ、中国の家具販売大手『居然之家』から秋波が送られてきたんです」

 と、打ち明けるのだ。

「最近、大塚家具の役員会は紛糾しがちで、久美子社長の再建策に、社外取締役が“貴女が辞めないかぎり賛同できない”と猛反対していた。その間、80%オフで時間稼ぎをしたところに居然之家からの“求婚”です。久美子社長のままで買収に応じる国内企業がないなか、社長据え置きで60億円以上の出資が検討されているという。ただし、全額を株式に回すと議決権の大半を握られてしまうので、一部は貸付になりそう。久美子社長も乗り気で、自ら中国に出向いたほどです」

 大塚家具は、居然之家と“販売交渉”を進めていることは認めながら、“嫁入り”については否定する。その居然之家について、中国企業に詳しい経営コンサルタントの田島章司氏は、

「1999年創業で年商1兆円。全土に240店舗を持ち、業界で三指に入る大手です。しかも中国の電子商取引最大手の阿里巴巴集団(アリババグループ)から900億円の出資を受け、“優等生”のお墨付きを得た。今回の話は彼らにすれば、日本のブランドと高品質に目がない中国の富裕層に、日本の家具を売り込むチャンスです」

 と語る。が、むろん、かぐや姫は“支度金”に縛られるという。

「美人で高学歴で独身の久美子社長を、最初は“客寄せパンダ”として利用するでしょうが、業績が回復しなければ、中国側は容赦なく経営に介入してくるはず。また皮肉なことに、中国で成功するためには父の勝久氏の高級路線に回帰する以外、道はありません」

 しかも、屈辱に次ぐ屈辱を受け入れても、延命できる保証はないのだ。

週刊新潮 2018年12月6日号掲載

ワイド特集「木枯らしに抱かれて」より

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