「酸化」よりタチが悪い「糖化」 “体のコゲ”が老化をもたらすメカニズム

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糖尿病の権威が提言「100歳時代の食卓」(1/2)

 100年も生きたくないよ、とうそぶく人も、進んで認知症や寝たきりになりたいわけではあるまい。老化の元凶や、それを退治できる食事法が示されれば、ましてや病気も防げるなら、無関心ではいられまい。100歳時代のおいしい提言である。

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 昔から「医食同源」と言われることくらい、だれでも知っている。だから、病気になりたくない、老けたくない、と願う人は、たいてい食事に気を使うか、使おうと意識している。だが、気の使い方を間違っていたら、努力も空しいことは言うまでもない。

 その意味で、糖尿病の専門医であるAGE牧田クリニックの牧田善二院長の、

「カロリーと肥満は関係なく、カロリー制限をしてもやせません」

 という説明に、衝撃を受けた人も多かったのではないだろうか。

 血液中には一定量のブドウ糖があるが、血糖値は70~140mg/dLの間で保たれている。一方、食物として摂取した糖質も、消化酵素の働きでブドウ糖に分解され、血液中に放出される。ただし血糖値が上がりすぎないように、膵臓からインスリンが分泌され、余ったブドウ糖をグリコーゲンに変えているが、それでも余ったブドウ糖は中性脂肪になる。これが肥満の原因で、カロリーの摂りすぎで太るわけではない――。

 しかも、肥満は万病のもと。だから、病気になりたくなければ糖質を制限すべきだ、というのが牧田院長の主張で、その際、二つのキーワードを意識すべきだという。一つは「糖化」、もう一つは「AGE(終末糖化産物)」である。

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