ネプチューンを困惑させる「ナニコレ珍百景」復活 テレ朝の“節操なき”視聴率獲得術

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「ゴチになります!」と「帰れま10」の違い

 2018年も押し詰まってきた。今年に終了したテレビ番組で最もインパクトがあったのは、「とんねるずのみなさんのおかげでした」と「めちゃ×2イケてるッ!」(共にフジテレビ系列)の2本であることは言うまでもない。

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 民放キー局に勤める番組制作スタッフは「ゴールデンタイムのレギュラー番組を終了させるのは、本当に大変なんです」と明かす。

「ゴールデンのレギュラー番組を担当するMCとなると、売れっ子か大物に決まっています。彼らは収録に全力を尽くしながら、心のどこかで長寿番組を願っています。ところが、それが夢と消えるのです。さらにMCが戦犯扱いされることもあります。どうしたって彼らは、『テレビ局に恥をかかされた』と受け止めます」

 タレントも事務所も一丸となって番組終了を阻止する。要するに、ごねる。一方、テレビ局側も弱みがある。番組終了はMCとの遺恨が残ることを意味する。関係は断絶。その後は少なくとも数年間、他番組が出演をオファーしても断られる危険性が高い。

「番組プロデューサーは事務所に何度も足を運び、交渉に交渉を重ねます。三顧の礼どころか、九顧の礼くらい頭を下げ続け、やっとのことで終了に応じてもらえます。そんな苦労を重ねて終了した番組を、通常、短期間で復活させることなどあり得ません。もし復活する番組のMCを再びオファーすれば、『あの時、終わらせなければよかったでしょ!?』と文句を言われるのは必定です」(同・番組制作スタッフ)

 ところが、終了と復活を当たり前のように繰り返しているテレビ局がある。視聴率で日本テレビを猛追しているテレビ朝日だ。

 ファーストフードなどの有名飲食店で、人気メニューのベスト10を当てるまでは帰宅できず、ひたすら食べ続けなければならない――。こんなコンセプトで人気を博したのが「もしものシミュレーションバラエティー お試しかっ!」で放送された「帰れま10」だ。

 この「お試しかっ!」は2008年から10年まで月曜の午後11時15分から放送され、高視聴率を獲得した。その勢いのまま、10年3月に月曜の午後7時オンエアというゴールデン番組に昇格を果たす。前出の制作スタッフが言う。

「『帰れま10』は視聴率が獲れるため、テレビ朝日は毎週のように放送しました。ところが、最初は喜んでいた視聴者も、次第に飽きていきます。日本テレビ系列の『ぐるぐるナインティナイン』(木曜:午後7時58分~午後8時54分)は『ゴチになります!』が人気コーナーですが、こちらは月に1~2回のオンエアを守ったのと対照的でした」

 その結果、「お試しかっ!」は2015年の1月に終了する。これが大きなイメージダウンとなったのが、タカアンドトシのタカ(42)とトシ(42)だ。

「もし『ゴチになります!』のように、『帰れま10』を劣化させないように丁寧なオンエアを心がけていれば、『お試しかっ!』は今でも続く人気番組になったはずです。それが真逆の結果で終わり、タカアンドトシの評価が下がったのは間違いありません。お二人が今でもテレビの世界で活躍しているのは幸運としか言えません。最悪のケースなら二度とMCのオファーが来なくなったり、CMの契約が切られたりする悪影響が生じてしまうものです」(同・制作スタッフ)

 ところが厚顔無恥というのか、テレ朝は翌16年4月に「帰ってきた帰れま10」を深夜番組の枠で復活させる。その後も断続的に単独番組として放送を重ねた。

 平行して16年10月から「帰れまサンデー」(日曜:午前10時~午前11時15分)と「帰れまサンデープラス」(同:午前11時15分~午前11時45分)をスタート。

 しかし、こちらも落ち着かない。翌17年4月に「帰れまサンデー」は日曜の午後4時半に変更となり、10月になると「帰れまサンデー・見っけ隊」にタイトルが変わる。

 話はまだ続く。今年4月には放送日が月曜の午後7時に移動。タイトルも「帰れマンデー見っけ隊!!」となって現在に至っている。

「飲食店の人気メニューを当てるのも、金額を当てるのも、企画の根本は同じ発想に基づいています。ところが、一方は長寿番組として人気を集めているのに対し、片方は秘密兵器と言えば聞こえはいいですが、局の都合だけを優先して放送を乱発。価値がすり減っています。何よりもテレビ朝日が、タカアンドトシのお二人に無茶を言っていることは明らかでしょう」(同・制作スタッフ)

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