しゃぶしゃぶ鍋に顔を突っ込む「芸能プロ社長」凄絶パワハラ証拠動画

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真っ赤に爛れた顔

「席ではずっと、社長から“なんか面白いことやれよ!”と言われていました。でも僕は芸がないので、ひたすら一気飲みをさせられました。ビールをジョッキで15杯、レモンサワーをピッチャーで2〜3杯だったと思います」

 これだけでも異常だが、

「“クライアントさんもいるんだから面白いことやれ。鍋に頭、突っ込めよ”と囃されて……。顔が真っ赤に爛れてしまったので、午前4時ころに救急外来に行ってから帰りました。記憶が曖昧だったこともあって、家族には、自分でやったと伝えていたんですけれど」

 診断結果は、傷痕や後遺症の残る可能性があるII度の熱傷。

「朝方に社長が家に来て、“顔、自分から鍋に突っ込んでたけど、大丈夫?”と言ったんです。けれど、あとから現場にいた人が動画で様子を教えてくれて、社長の仕業だと分かりました。ただ、僕は忘年会の前の年に入ったばかりだったし、自分が入れた女の子もいたから辞められなかった」

 そんな彼は、忘年会の1年後、イベント運営をめぐって理不尽な借金を背負わされ、会社を去ったという。

「実は、忘年会の前から社長の日常的なパワハラに苦しんでいました。給料をもらえなかったり坊主にさせられたりして、精神的に追い詰められていたのです」

 この“被害者”の思いを、社長はどう受け止めるのか。渋谷の会社を訪ねて動画を見せたところ、目を見開いて狼狽しつつ、その場での回答を避けた。送られてきた文書には、“被害者”と、

「私との悪ふざけであったということです」

 そう記されている。自分の記憶が正しいかどうか、関係者から聞き取りをしたともある。日常的なパワハラについても「事実ではありません」と否定するが、

「火傷は1カ月ほどで治りました。でも、いまでも、風呂に入れば痒くなります。損害賠償を請求したいし、被害届も出したいです」

 と、従業員の被害感情は揺らがない。動画が、なによりの証拠だからだ。

週刊新潮 2018年11月29日号掲載

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