“大手広告代理店”部長から“レンタカー会社”法人開発へ 「顧問派遣会社」に登録した64歳の充実

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2018年11月18日

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「顧問派遣会社」という選択

 古巣でのキャリアに自信アリ。そんな腕に覚えがある渡り鳥は、顧問派遣会社への登録という手段もある。

 顧問といっても、企業が求めるのは即戦力で、高額なコンサルを雇うより効果があると評判なんだとか。

「プロフェッショナル人材バンク」の運営会社エスプールの事業部長・青塚安之氏によれば、

「働き方は1社との契約で週1日、2週に1日勤務の方が多く、月額20万円が報酬の目安です。6年前からサービスを始め、6千名以上の登録者がいて平均年齢は63歳。毎月100名ほどの方が新規登録されますが、企業と契約まで至るのは10~15%程度です」

 そう聞けば狭き門だが、登録者の前職は役員経験者ではNTTやJR、JFEスチール、清水建設にサッポロビールなど、部長職級でもキヤノンやNEC、ブリヂストンなど誰もが知る大手企業出身者が居並ぶ。

 注意したいのは、彼らの斡旋先は大手企業が2割、8割は中小企業という点だ。

「偉い肩書きを持っていても、中小企業を前にふんぞり返るようでは上手くいきません。企業と顧問契約が成立する方は皆さん紳士的で謙虚な方ばかり。企業が求めるのは主に販路の拡大とものづくりに必要な技術の二つです。やはり広い人脈か何かしらの技術をお持ちの方でないと、登録してもご紹介は難しいのです」(同)

 ひと口に人脈と言っても、“10万枚の名刺を交換してきた”だけでは通用しないと青塚氏は断じる。

「退職後は現役時代の人脈がリセットされます。OBになっても、企業が求める相手が今どこで何をしているか把握し、すぐ連絡を取れるような関係性を築けている人はごく僅かです」

 今年3月、このサービスに登録した山本一樹さん(仮名)は64歳。昨年末まで大手広告代理店のマーケティング部門の部長だったが、大手レンタカー会社への斡旋を受け7月から法人開発の営業部門を担っている。前職のノウハウを活かして、休眠顧客などの掘り起しを行い、みごと会社の業績を上げたと胸を張る。

「週3日、9時から17時まで働いていますが、余暇はゴルフや旅行を楽しんでいます。健康なうちはこれからも働き、いつか世界一周の船旅なんてできたらいいなと思います」(山本さん)

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