「安田純平さん」解放 手放しで喜べない「3億円」の裏事情

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〈いまだに危ない危ない言って取材妨害しようなんて恥曝しもいいところだが、現場取材を排除しつつ国民をビビらせたうえで行使するのが集団的自衛権だろうからな〉

 2015年6月、ツイッターでこう啖呵を切った直後、安田純平氏(44)はシリアの武装勢力に拘束された。以後、「私は韓国人」などと喋る彼の映像などが断続的に武装勢力サイドから公開されたものの、安田氏の居場所等は判然とせず、膠着状態が続いた。

 彼に関するニュースも途絶えがちとなり、日本人の記憶からも遠ざかりつつあったなか、突如、安田氏解放の吉報は届けられた。

 東京外国語大学の飯塚正人教授(イスラム学)の解説によれば、

「シリアの反政府組織はイドリブ県というところに追いつめられ、いつ政府軍による総攻撃を受けるか分からない苦境に立たされています。安田さんは反政府組織に拘束されたと見られていますが、彼らにしてみれば、これ以上、安田さんを自分たちのところに留めておいても『利用価値』がないと判断して解放したのではないでしょうか」

 他方、

「在英国の人権団体からは、カタール政府が約3億円の身代金を払ったとの情報も出ている。事実だとすると、それは『肩代わり』であり、いずれ日本政府が何らかの形で『弁済』しなければなりません」(大手メディア外信部デスク)

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