完敗で王座陥落の「村田諒太」現地レポート 現役続行ならスタイル変更は必須
(取材・文=林壮一/ノンフィクションライター)
「完敗です。右を読まれていたし、思うようにいかなかったですね」
試合終了のゴングからおよそ20分後、WBAミドル級タイトルを失った村田諒太(32)は、サバサバした調子で語った。
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10月20日(現地時間)に米国ネバダ州ラスベガス、パークシアターで催されたタイトルマッチ、村田諒太vs.ロブ・ブラント(28)戦はワンサイドの展開となった。村田は0-3(109-119が2名、110-118が1名)の判定負けで、王座から陥落した。
「ロブ・ブラントは思った以上に速かった。速いし、良く動きました。もっとペースが落ちるかなと思っていましたが、それもなく、インテリジェンスがあった、という印象です」
本来、控室で行われる敗者の記者会見は重苦しい空気に包まれるものだが、村田はいつものように活舌がよく、悲壮感はあまりない。ただ、腫れ上がった両目の周辺が痛々しかった。
「多くの日本人が駆けつけてくれ、それが嬉しかったです。ベストを尽くしましたが、届かなかったということです」
ファーストラウンドから細かく手を出し続けた挑戦者に対し、村田は受けて立つ姿勢。ブラントは、自身のパンチが当たらない距離からでも村田のクローブを叩き、リズムに乗っていく。常に3発、4発とまとめてパンチを放ち、ポイントを稼いだ。対するチャンピオンは、終始後手に回ってしまった。
「僕のボクシングの特徴は、固いガードとプレッシャーの激しさ、そして右です」
村田本人がそう話すように、彼は右の破壊力でロンドン五輪の金メダルとWBAミドル級タイトルを獲得したのだった。
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