完敗で王座陥落の「村田諒太」現地レポート 現役続行ならスタイル変更は必須

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「ムラタは右の1発を狙い過ぎていた」

 村田の右がブラントにクリーンヒットした第5ラウンド1分20秒。王者にとっては大きなチャンスだったが、サイドステップを踏み、身体を入れ替える挑戦者を詰めることができない。この局面で、遮二無二20発くらいの連打が出せれば、ブラントを仕留めていたかもしれない。

 その後も村田は右を放ったが、ブラントを決定的に追い詰められはせず、後半に入ると空を切るようになった。

「自分は、ワンツー左フックと3つのコンビネーションしか打てない選手なので、幅の無さを痛感しました」

 村田は氷で右目を冷やしながら、「今後について、今すぐには答えが出ない」と締め括り、7分足らずの会見は終了した。

 村田の控室のドアの外には、元WBOヘビー級王者のシャノン・ブリッグス(46)が佇んでいた。試合の印象を訊ねると、いい試合だったと言い、敗者について次のように述べた。

「リョータ・ムラタは右の1発を狙い過ぎていた。単発のビッグショットだけで、ボクシングは勝てない。もっともっとうるさく動いて、手を出さないと。手数が少ない。でも、スタイルを変えれば、まだまだチャンスがのあるファイターだと感じる。32歳か……。伸び代はあるから、引退するのは早い。俺なんか45歳でもリングに上がったからな。まだやるかもしれないし」

 村田とプロモート契約するTOP RANK社のボブ・アラムCEO(86)は「ムラタは勇敢ないい選手だ。今夜はブラントのスピードに翻弄されたが、ゲームプランを変えればロブ・ブラントに勝つ可能性がある。本人や帝拳と話すが、リターンマッチを組む気持ちはある」と話した。

 もし、村田が現役を続けるのであれば、ブリッグスやアラムの言葉通り、スタイル変更は必須だ。相手よりも手数で上回る試合運びをしなければならない。

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