ご本人もご満悦 「えだのん」流トリックアート

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 親しみを感じさせる5頭身。顔を綻ばせる「えだのん」こと枝野幸男・立憲民主党代表の向こうには、見渡す限りの人の群れ。さすが野党第1党。ドタバタの結党劇から1年経っても人気は健在……って、アレッ? 聴衆の真ん中で台に立つのは枝野代表本人では?

 タネ明かしすれば、背景にあるのは大型の写真パネルで、昨年10月、衆院選の中盤に新宿駅で行われた演説会の光景を撮影したもの。2千人近くが集まり、注目度の高さを証明した記念碑的1枚だ。

 枝野代表が1年前の姿にご満悦の表情を見せたのは9月30日、都内で開かれた党大会「立憲フェス」にて。会場を視察して回り、パネルにしばし見入った。

 この当時は実現など「夢にも思わなかった」という党大会は異色そのもの。ステージにはスモークがたかれ、青や紫のライトが飛び交う。プログラムにはトークイベントやお笑いライブ、会場内には物販コーナーや記念撮影のブースが設けられた。前例のない奇抜さに枝野代表は、

「民主党にいた時から日本の党大会はつまらないと思っていた。この形式が欧米ではスタンダード。来場した皆さんの表情を見る限り、成功だったのでは」

 そう胸を張った。来場者は1500人。順風満帆に映りはするが、「必ずしも視界良好とはいえません」とは政治部記者。

「希望の党を中心とした野党再編への反動から支持を伸ばしたものの、年初をピークにして支持率の下落が止まらない。基本方針で“若い世代との接点拡大”を謳ったように、フェスの形にしたのも若者の支持を得たいからでしょう」

 しかし、来場者の年齢は総じて高く、なかには「こんなお金の使い方で良いのかしら」だとか「お笑いライブみたいなのは要らないよ」とキビしい声も。

 政権を獲るだけでなく、長期政権を目指す――。そんな力強い宣言も、やっぱり高望みの絵空事でした、なーんてことにならなきゃいいが。

週刊新潮 2018年10月11日号掲載

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