千葉ロッテ“限定”の至宝 「福浦和也」祝2千安打

野球週刊新潮 2018年10月4日号掲載

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 2千安打達成で名球会入り――というと、誰もが知っている有名選手と思いきや、9月22日にそれを達成したのは“福浦和也”。さすがに「誰?」とは言わないまでも、ロッテファン以外はピンと来ないのが正直なところだろう。

 千葉県に生まれ、千葉県の習志野高校に進んだ福浦は、1993年、ロッテにドラフト7位、全体64人中64番目に指名された。歴代2千安打達成者は皆3年以内に1軍昇格しているが、福浦の1軍デビューは4年目で、史上最も遅い。

 スポーツ紙デスクが語る。

「ロッテは92年に本拠地を川崎から千葉に移したばかりでした。福浦は入団から今に至る25年間、ロッテ一筋。“地元出身”の“生え抜き”とあって、ファンにとって特別な存在なのです」

〈俺達の福浦(略)千葉の誇り胸に〉という歌詞の応援歌は、ピョンピョン飛び跳ねるロッテ独特の応援スタイルの原点とされる。

 もっとも、福浦が獲得した打撃タイトルは2001年の首位打者1度きりで、09年を最後に規定打席すら満たしていない。そもそも規定打席を満たしたのは9シーズンしかない。ロッテファン以外に馴染みが薄いゆえんだが、

「起用法に文句を言わず、首脳批判もしない。プライドを踏みにじるような年俸提示にも黙って耐える。そんな人柄が、監督やチームメイト、球団関係者の心を掴んだといえます」

 そんなわけで、

「井口監督も“今年は2千安打を打たせたい”と公言。兼任のコーチ職を解き、選手に専念させた。そして、1軍に残すには程遠い戦力ながらも、根気よく使い続けた。彼の偉業達成のために、今季、チームはかなり犠牲を払いました」

 42歳9カ月での達成は歴代2位のスロー記録。もっとも、試合後の記者会見は一同を閉口させた。

「“来年もやるつもりでいます”と現役続行を宣言したのです。“井口監督を胴上げしたい”というのですが、だったらここで引退してほしいのに……」

 案外したたかな男である。