殴った後に頭を撫でて… 宮川選手と速見コーチにくすぶる“体操界のDVカップル”の声

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“サレンダー心理”

 ところで、先に「DVカップル」という言葉が出たが、そう感じる根拠をもう少し聞かせてもらおう。

「速見は紗江を殴ったあとで、犬をかわいがるみたいに、よしよしと頭を撫でる。あの2人が間違ってるのは、自分たちはそれでよくても、周りはものすごく嫌な気分になっていること。それを知らなきゃいけない」

 宮川選手は会見で、速見コーチには「厳しさのなかにも、人の何倍もの楽しさややさしさがあり」と言ったが、独りよがりだという主張である。それはともかく、この2人、今後どうすべきなのだろうか。精神科医の和田秀樹氏が言う。

「児童虐待で“サレンダー心理”という言葉があります。中途半端な虐待のときは親に反抗しますが、徹底した虐待を長時間受けると、むしろ相手を理想化したり、喜ばせようとしたりするのです。一方、DVカップルの女性は“私がいないとこの人はダメになる”と思う。今回のケースは、心理的にそのどちらかが起こっている。引き離し、暴力を振るっていた方にも、治療やカウンセリングを受けさせるしかありません」

 宮川選手に対してはもちろん、彼女への暴力を見て動揺する選手に対しても、“選手ファースト”を本当に貫くなら、急がば回れ、しかないはずである。

週刊新潮 2018年9月20日号掲載

特集「体操界のDVカップル 『宮川紗江』選手を覚醒させるウルトラC」より

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