“一生償っていく”から28年――被害者語る「綾瀬コンクリ殺人」元少年の“殺人未遂”犯行

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“もっと大物だ”

「綾瀬女子高生コンクリート詰め殺人の“元少年”が、今度は殺人未遂で逮捕されていた!」

 8月21日、本誌(「週刊新潮」)はネット版のオリジナル記事として「デイリー新潮」でそう報じた。この“元少年”こそが湊容疑者で、被害者は32歳の会社員男性。現場は、埼玉県川口市内のアパート前の駐車場だ。湊容疑者と被害者はいずれも、このアパートの別棟の住人だった。

「事件があったのは8月19日の午後5時半前。被害者は湊容疑者に警棒で殴られた上、首をナイフで刺された。警棒は3段の伸縮式で全長41センチ。ナイフは折りたたみ式で刃渡り8センチ。事件直後、湊容疑者は自宅にいるところを緊急逮捕された」(捜査関係者)

 被害男性本人が述懐する。

「あの日は日曜日で、後輩たちと一緒に車でバーベキューに出掛け、夕方、帰ってきました。そして、バーベキューの機材をアパートに運ぶため、空いていた駐車スペースに車を停めようとした時、目の前にある別の駐車スペースの車の中にいた男がこちらに向かってきて、ごちゃごちゃ因縁をつけてきたのです」

 それが湊容疑者だった。坊主頭の彼の恰好は、黄色いシャツに白のハーフパンツ。

「身長は160センチくらい。ガタイは良かった。面識はありません。何を言っているのかよく分からない、危ない雰囲気があった。シャブでもやっていそうな、オラついた感じ。ちなみに、僕らが一時的に停めようとした駐車スペースはそいつとは全然関係のないスペースだったのですが、以前から、そこの借主はそいつに因縁をつけられて困っていたようです。ただ、危なそうな男だから無視して逃げていた、と」(同)

 因縁をつけてきた湊容疑者に対し、被害男性は「何だよ」と言葉を返した。すると、

「ワーッと僕のところにやってきて、4、5発くらい殴られました」(同)

 助手席に座っていた後輩が車を飛び出して止めに入ると、湊容疑者はその後輩にも殴りかかったという。

「後輩にケガをさせたらまずいと思って僕も車を飛び出たのですが、そいつは突然、ズボンの中から警棒を取り出し、力いっぱい僕めがけて振り下ろした。昔ヤンチャをしていたこともあってケンカには慣れていたので、とっさにかがんでよけることは出来たのですが、警棒の先が肩をかすめて傷を負ってしまった」(同)

 被害男性が反撃に出たのは、その後である。

「ヤツの頭を腕で固めて首を締め上げると、足をバタつかせてもがいていた。その隙に後輩が警棒を取り上げました。もう決着が付いたと思ってヤツを離すと、また後輩に挑もうとしてきたのですが、それを振り払うようにして車に乗り込み、発車した時のことでした。ヤツがまた運転席の僕めがけて飛びかかってきたのです」(同)

 一瞬、何が起こったのか分からなかった。しばらくして、後輩が慌てふためきながらこう叫んだ。“血が出ています!”──。

「一瞬の隙を突かれただけだったので深手を負わずにすみましたが、首の後ろから血がドボドボと溢れ出てきた。後輩がTシャツで止血してくれ、その段階でこれはもう警察に通報したほうが良いと判断したのです。医者は“あと5ミリずれてたら死んでいたよ”と言っていたそうです」

 被害男性はそう語る。

「警察に事情を聴かれた時、僕は“あいつ、シャブでもやっていたんでしょう?”って聞いたんですよ。すると、刑事は“そんなレベルの男じゃない。もっと大物だ”と言う。犯人の名前は刑事から教えてもらっていたので、スマホで調べたら『綾瀬コンクリ事件』の犯人だと分かって……。さすがにぞっとしました」

週刊新潮 2018年9月6日号掲載

特集「新聞・テレビが報じない『少年法』の敗北『綾瀬 女子高生コンクリ詰め殺人』の元少年が『殺人未遂』で逮捕された!」より

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