ビートたけしが育てたのは“たけし軍団”にあらず、ならば誰を育てた?

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 ビートたけし(71)が自ら設立した「オフィス北野」から独立したのは今年(2018年)4月1日のこと。騒動はたけし本人から離れ、森昌行社長(65)VSたけし軍団という構図へと変わり、ようやくそれも鎮静化――したかと思えば、「たけしさんが育ての親」と言って憚らない俳優の寺島進(54)も年内でオフィス北野を離れることとなり、続いて、たけし軍団イチの稼ぎ頭「浅草キッド」解散説も飛び出した。業界では、事務所に残った軍団の終焉が囁かれているという――。

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 今もオフィス北野に残る浅草キッドの解散については、写真誌「FLASH」に対し、水道橋博士(56)、玉袋筋太郎(51)の両者が明確に否定している。

 元マネージャーから引き抜かれるのではという質問に「そんな品のねえこと、やんねえよ」と応えたのは玉袋。“品がない”というあたりが、“東京芸人”ビートたけしの薫陶を受けた彼らしい言葉だ。ホッとしたファンも多いことだろう。

「浅草キッドは、テレビのレギュラーはローカルが多いとはいえ、ちゃんと自分たちで稼いでいるコンビです。なにより、たけしさんの弟子の中で、ちゃんと漫才、というより寄席の高座に立てるようなお笑いをやっている唯一の弟子と言っていいでしょう。彼らは若き日のたけしさん同様、浅草で修業を積まされた経験がありますから。それに比べると、現在たけし軍団に残っている面々には、これといった芸はないんですよ」(業界関係者)

 たけしの下には、一番弟子のそのまんま東(東国原英夫・元宮崎県知事[60])を筆頭に、自宅や「オールナイトニッポン」放送後のニッポン放送前でたけしを待ち伏せし、押しかけるようにして弟子入りした者が少なくない。そのまんま東は政治家転向の時にオフィス北野を離れているが、現在も事務所に残る軍団メンバーでは、松尾伴内(55)やラッシャー板前(55)、グレート義太夫(59)、柳ユーレイ(現・柳憂怜[55])、浅草キッドも押しかけ組だ。現在、総領弟子的なガダルカナル・タカ(61)やつまみ枝豆(60)は別の事務所から移籍した漫才師、ダンカン(59)は立川談志(1936〜2011)の弟子からの移籍、井手らっきょ(58)はものまねタレントから軍団入りした。

「みんな、たけしさんに惚れ込んで弟子となったことには変わりがない。それに応えるように、たけしさんも自分の番組『スーパーJockey』(日本テレビ系/93〜99年)で“軍団を使って欲しい”と言って“ザ・ガンバルマン”のコーナーも作ったわけです。そのまんま東さんや松尾さん、ラッシャーさんなどが、たけしさんの無理難題に体を張って答えることで人気となっていきました。同番組の“熱湯コマーシャル”での“軍団芸”なども、ダチョウ倶楽部よりも先に行われており、それも名物となっていました。たけしさんの番組も続々と増えていた頃で、新番組には必ずと言っていいほど軍団も一緒に参加。たけしさんのシングル曲のコーラスにまで彼らを使っていたほどです」(放送作家)

 だが、そこまでチャンスを与えられた軍団が、徐々に他のタレントに喰われていった。

「『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』(日本テレビ系/86〜96年)だって、当初は軍団が中心でした。しかし、いつしかダチョウ倶楽部や出川哲朗さん(54)にリアクション芸を奪われていったんです。ダチョウも出川さんも『たけしさんが大恩人』『たけしさんが育ての親』と言っているほどですからね。それは『スーパーJockey』でも一緒で、松村邦洋さん(51)や本業がマンガ家の蛭子能収さん(70)の影に隠れるような存在となっていったんです。結局、軍団はたけしさんの庇護の下、何とか食べていけますからね。たけしさんは『笑いは教えられるものではない』という持論があり、彼らの自立を期待していたんだと思います。しかし、“FRIDAY襲撃事件”で軍団を巻きこんでしまったたけしさんは“お前達の面倒は一生見る”と言ったそうですから。そうした甘えも芸を磨けなかった要因かもしれません」(同)

 結局、たけしの芸を盗めた弟子はいなかった。浅草で修業した浅草キッドは別にして、そのまんま東は政界へ。ガダルカナル・タカは現在コメンテーターとしての仕事が多い。松尾は「なんでも鑑定団」(テレビ東京系)の地方ロケのリポーターと毎日放送の『痛快!明石家電視台』、年1度の「明石家サンタ」。ダンカンはスポーツ紙のコラム。つまみ枝豆はAbemaTVなどがありますが、オフィス北野所属の妻・江口ともみ(50)のほうが活躍している。ラッシャー板前は旅番組の中継や通販番組、グレート義太夫はギター漫談、井手らっきょは故郷・熊本に居を移した――。

「年間数十億稼ぐというたけしさんが抜けたら、オフィス北野はやっぱりキツいでしょうね。そんな中で、オフィス北野の俳優部門から売れっ子の寺島進さんが移籍となったわけです。彼は芸人ではありませんが、『風雲たけし城』(TBS系)に出場したこともあり、たけし映画の常連で、『たけしさんが育ての親』と公然と言っていた役者でした。オフィス北野の所属ではありませんが、たけしさんに育てられたという役者は多いんですよ。先日亡くなった大杉漣さん(1951〜2018)はじめ、津田寛治(53)さんも、たけし映画で見出された。軍団の一員だった柳ユーレイだって、たけし映画の2作目『3-4X10月』の主演に抜擢されて、いまは役者の柳憂怜として活躍しています。たけしさんは、芸人は育てなかったけど、役者は育てたということになるのかもしれません」(同)

週刊新潮WEB取材班

2018年9月2日掲載