僕たち、ペンで身を立てた芸人です――「矢部太郎」「山田ルイ53世」著書がヒット

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 昨年10月に刊行されたデビュー作『大家さんと僕』が、35万部の大ヒット。本誌連載でもおなじみの矢部太郎さんが、第22回手塚治虫文化賞短編賞を受賞したというからおめでたい、おめでたい。

 6月7日の贈呈式の前には、作中に登場するガサツな先輩芸人のモデルとなった板尾創路、ほんこん、石田靖、木下ほうかといった面々が“吉本流”で祝福。ほんこんは「こっちは印税1円ももらってへんねんで」とぼやき、各々が蹴りを入れる、頭をつかむ、体を持ち上げる……。矢部さんもタジタジだ。

 矢部さん曰く、もし映画化するなら、大家さん役には「ものすごいゆっくりしゃべる黒柳徹子さん」をイメージしているそう。すると板尾から「だったら『徹子の部屋』に出たらいいやん」とツッコミが。最後に矢部さん、「先輩にわざわざ来ていただいていいのかなと思ったんですが、みなさんいい働きをしてくれて」となんとかボケて、ギリギリ芸人魂を見せたのだった。

 こなた「ルネッサ~ンス!」のギャグで一世を風靡した髭男爵の山田ルイ53世も負けていない。彼の『一発屋芸人列伝』は、第24回雑誌ジャーナリズム賞作品賞を受賞。発売前から重版が決定したこの話題作のコンセプトはずばり、“一発屋の山田が一発屋にインタビューする”というもの。登場するのは、5日に開催された刊行記念イベントにも駆けつけたレイザーラモンHGやジョイマンはじめ、ムーディ勝山、波田陽区など、懐かしくもにぎやかな顔ぶればかりだ。

 ちなみに、一発屋とは他人が決めるのではなく、本人が“自首”するかどうかだという。つまりあきらめが肝心で、逃亡生活を終えた暁(あかつき)には〈一発屋会〉が待っているんだとか。ともあれ、まさか物書きとしてルネッサンス(再生)するなんて、ご本人が一番驚いているかも。

週刊新潮 2018年6月21日号掲載

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