北朝鮮で滋賀県の男性が拘束 2年間抑留された元“日本人スパイ”が今後を予測

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99年にも「元新聞記者」を拘束

 例えば朝日新聞は8月11日、「北朝鮮で日本人男性拘束、スパイ容疑か 政府は情報収集」と報じた。改めて、各紙の報道から事件概要を確認しておく。

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 拘束されたと見られているのは滋賀県出身の映像クリエーターの男性(39)。海外の旅行会社が運営するツアーを利用して北朝鮮に入国したという。

 平壌の外港である南浦で拘束された。南浦は軍港でもあるため、撮影行為が問題視されたのではないかと見られている。また「男性は過去にも北朝鮮の渡航歴がある」との報道も多い。

 過去にも日本人がスパイ容疑で北朝鮮に拘束されていた事実も、再びクローズアップされた。産経新聞なら8月12日の記事に「北朝鮮では元新聞記者が1999年にスパイ容疑で拘束され、約2年間抑留された例がある」と付記している。

 この「元新聞記者」は、日本経済新聞社に勤務していた杉嶋岑氏(79)だ。一橋大学大学院を卒業して日経に入社。北朝鮮には86年から合計5回、訪問していた。99年に日経を定年退職し、その5回目となる北朝鮮訪問で拘束された。

 杉嶋氏は内閣情報調査室と公安調査庁の協力者だった。詳細な経緯は『北朝鮮抑留記 わが闘争二年二カ月 1999年12月―2002年2月』(草思社)に詳しい。この記事では、衆議院に設置される安全保障委員会で2002年7月、杉嶋氏が参考人として出席した質疑内容を紹介したい。

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