「パーキンソン病」克服の日は近い? “iPS細胞”脳移植の応募者募集

社会週刊新潮 2018年8月9日号掲載

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 今や日本だけでも16万人以上の患者がいるといわれるパーキンソン病。

 レビー小体という異常なタンパク質の塊によって、脳内のドーパミン神経細胞が破壊され、身体の震えや筋肉のこわばり、動作が緩慢になるといった症状がみられるこの難病に、一筋の光明が差した。

「さる7月30日、京都大学が、ヒトのiPS細胞からつくった神経細胞を、パーキンソン病の患者の脳に移植する治験を始めると発表したのです」

 と、全国紙の科学部記者。

「これまでにもヒトの目や心臓にiPS由来の細胞を移植する実験は行われていますが、いずれも“臨床研究”段階。実用化を見据えた“治験”は初めてです」

 その方法はというと、

「京都大学のiPS細胞研究所でつくられた神経細胞約500万個を、患者の頭蓋骨にあけた直径12ミリほどの穴から注入し、経過を観察するんだそう。治験が成功し、厚労省の承認がおりれば、根治への道のりがぐっと近づくことになるでしょう」(同)

 この治験がいかに画期的なものか、脳神経外科医で眞田クリニック院長の眞田祥一氏によれば、

「現在、パーキンソン病の治療は薬物療法が主流です。かつては発症後、5年ほどで社会生活を送ることが難しくなっていましたが、近年は10〜15年は日常生活が送れるまでになっている。とはいえ、根本的な治療法はありませんでした」

 実は、これまでにも細胞移植による治療が試みられたことはあったという。しかし、

「効果に疑問があるだけでなく、中絶によって亡くなった胎児の脳細胞を使用するなど倫理的な問題が絶えなかった。iPS細胞の移植では、このような問題が生じることはありません。治験では移植した細胞が生着し、しっかり機能するかが問題ですが、上手くいけば5年と待たない近い将来に自由診療などで実用化される可能性もあります」(同)

 治験の実施予定人数は7名。先の記者によれば、

「1例目の患者は京大病院の通院患者の中から選定して、残りの6例は罹病して5年以上などの条件を満たす患者を募集して行われる予定です」

 パーキンソン博士の発見から約200年。克服の日は近い?