脱税1億3千万円! 3年で5億円を稼いだ「大阪城のたこ焼き屋」の肖像

社会週刊新潮 2018年8月9日号掲載

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なぜ税金を払わなかったのかと言うと…

 問題の宮本茶屋は、すぐ近くにある「豊国神社」の土地の上に建っており、

「元々はタツ子さんのご主人が1975年頃から神社に土地を借りていた。地代は無償。ご主人が11年前に他界し、その後はタツ子さんが経営者としてやってきた。完全な個人経営で、家族が交代で店に立つ。それ以外には、常時バイトが5〜6人。タツ子さんは高齢なので最近は店に立っていなかった」

 そう説明するのは、タツ子氏の代理人弁護士である。

「売り上げが急激に伸びたのは、インバウンドの影響。ここ5〜6年で状況ががらりと変わり、今では客の9割以上は外国人。観光バスで来て、大阪城を見て、たこ焼きなどを買っていく。また、やはりこの5〜6年でライバルの屋台がいなくなった、というのも影響している。なぜ税金を払わなかったのかと言うと、ご主人が亡くなる前から確定申告をしておらず、タツ子さんにそういう頭がなかった」

 11年前に亡くなったタツ子氏の夫の武彦氏(仮名)は、指定暴力団「山口組」傘下の組織に属するテキヤであった。その人となりについては(2)で詳述するとして、まずはライバルの屋台が姿を消した経緯に触れておきたい。

 昔の大阪城公園には、宮本茶屋以外にも多くの屋台があったという。しかし、橋下徹氏が大阪市長に就任した前後から無断営業の露店は姿を消し、その後、大阪市との契約で運営されてきた売店なども退去させられた。そして、橋下氏は、15年度から大阪城公園の運営自体を民間業者に委託してしまったのだ。

「宮本茶屋はあくまで神社の土地に建っているので、あの橋下さんでも排除できなかった。大阪市は大阪城公園の整備を進め、今時の飲食店が入るお洒落で現代的な施設をオープンさせてきた。そんな中、昔ながらのコテコテの屋台で営業する宮本茶屋は大阪市にとっては、“困った存在”なのです」(大阪市政関係者)

 今回の脱税発覚を受け、橋下氏の“後継者”である吉村洋文・大阪市長は、店に報告書を提出させる考えを示し、従わない場合は店の前に境界となる壁を設置する可能性をも示唆した。これを機に“排除”してしまいたい、という本音が透けて見えるが、一体、宮本茶屋はいかなる経緯で大阪城前の一等地に根を張ることに成功したのか。

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